たぶんあなたは

特に話すネタになるような
ことは何ひとつない日々で
だからしょうもない話すら
始めるタイミングを逸して

想像に過ぎないけどたぶん
あなたの毎日はぎっしりと
何かで詰まっているだろう
わたしと話す暇もないほど

たぶんあなたは知らない
わたしがあなたのことを
どれほど心配しているか
たぶんあなたは知らない
わたしがあなたのことを
どれほど大切に思うのか

たまらず話すのはたいてい
わたしが耐え切れないほど
日常に果てて弱ったときで
苦い部分ばかり見せている

本当のことを言えばいつも
日々の些細な出来事とかを
どうでもいいくらい気楽に
あなたとは話していたいの

互いの息遣いなど感じない距離で
互いの日常の温度を知ることなく
互いの存在さえ不確かなのになぜ

たぶんあなたは知らない
わたしがあなたのことを
どれほど頼りに思うのか
たぶんあなたは知らない
わたしがあなたのことを

きっとあなたは知らない
ずっとあなたは知らない