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能「羽衣」ってどんな演目?

TBSテレビ金曜ドラマ『俺の家の話』は能楽師一家のお話ですが、こちらに檜書店の書籍や謡本を貸し出し致しました!

クレジットにも檜書店が載っていますので、ぜひ見つけてみてくださいね。

さて、1話で謡われていた「羽衣」。
羽衣を拾った人間とそれを返してほしい天女のお話です。
羽衣を返してもらえた天女はお礼に舞を舞います。
これが静岡の駿河舞の元となったといわれる伝説になります。

謡本羽衣

(「羽衣」の謡本・左が観世流、右が金剛流)

「俺の家の話」の第一話で何度も繰り返されたこの一節
「それは天人の羽衣とて、たやすく人に与ふべき物にあらず」は、
能「羽衣」でシテ(主人公)の天人が、ワキ(脇役)の白龍(はくりょう)にかけるセリフです。
意味は「それは天人の羽衣といって、たやすく人間に与えるような物ではありません」です。

能の謡(うたい)は、節(フシ)がついている部分と、フシのない詞(コトバ)の部分がありますが、「それは天人の〜」はコトバの部分です。
コトバは同じ高さの音で細かい抑揚をつけないので、お経っぽいとか、「呪いの儀式」(笑)のように聞こえてしまうかもしれません。
ちなみに第一話の最後に、西田敏行さんが口ずさむように謡っていらっしゃったのが、「羽衣」のフシの部分です。こちらは抑揚があり歌を歌っているように聞こえます。

能は現代劇というとミュージカルのような舞台演劇ともいえますね。

羽衣謡本イラスト

(謡本の解説イラスト)

ところで現在上演されている能の演目は、観世流では200曲以上ありますが、
中でも「羽衣」は最も上演頻度が高い演目で、海外公演でもたびたび演じられています。
「羽衣」の素材となった羽衣伝説は、世界中にあるそうです。

(能「羽衣」のあらすじや見どころは、コチラ https://noh-sup.hinoki-shoten.co.jp/sh/1/ja

また「羽衣」は上演だけでなく、お稽古で初心者が習う曲としても有名で、弊社の謡本(うたいぼん)売れ行きランキングでいえば、ずっとナンバーワンの座にある、ベストセラーと言えます!

ちなみに、「羽衣」のあらすじや見どころを詳しく知りたい方に
檜書店から出版している「対訳でたのしむ」シリーズをおすすめします。
(檜書店HP [対訳で楽しむシリーズ] https://www.hinoki-shoten.co.jp/p/c/482791015)

対訳画像

(対訳でたのしむシリーズの書籍)

ぜひ能の謡の世界をのぞいてみてくださいね!

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