能でみる、木曾義仲の最期とその忠臣たち:「巴」「兼平」「木曽」
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で宇治川の戦いのエピソードが放送されました。
木曾義仲の最期は教科書などで知っている方も多いかもしれませんね。
巴御前の格好よさや木曾義仲の生涯に心を打たれた方もいらっしゃると思います。
義仲や巴御前、また忠臣の今井兼平が登場する能の演目があります。
巴(ともえ)
上演回数が多い演目です。巴は女武者として有名ですね。
能では武士が登場する演目を「修羅能」といい、ほぼ男性が主役ですが、修羅能の中で唯一女性が主役の演目が「巴」です。
「巴」では、主人に仕える武者として、同時に恋人として、最期まで義仲とともに討ち死にできなかった悔恨が描かれます。
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兼平(かねひら)
木曾義仲の忠臣、今井兼平が主役の演目です。
授業で『平家物語』を学ぶ際、「敦盛の最期」「屋島の戦い(扇の的)」と並んで「木曾義仲の最期」も教科書に載っていることが多いですね。
兼平は義仲の乳兄弟で、巴の兄ともいわれています。
義仲の討ち死にや、太刀を口にくわえて逆さまに落ちて自害した壮絶な最期が語られます。
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また、上演回数は少ないですが、「木曽(きそ)」という演目があります。
義仲が「倶利伽羅(くりから)峠の戦い」で平維盛(これもり)に勝つ前日の様子が描かれています。
義仲は倶利伽羅峠に源氏ゆかりの八幡宮があることを知り、参謀の覚明(かくめい)に戦勝祈願の願書を書かせて、八幡宮に奉納します。
能「木曽」では覚明が主役(シテ)で、この願書を読み上げるところが見どころです。義仲はツレの役で登場します。
「安宅(あたか)」の勧進帳(かんじんちょう)、「正尊(しょうぞん)」の起請文(きしょうもん)、「木曽」の願書(がんしょ)の三つを合わせて三読物(さんよみもの)といいます。
これらは高度な技術や表現力が必要とされるので、「習い物」として重要視されている演目です。
ご覧になる機会がありましたら、ぜひ足を運んでみてください!
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