見出し画像

今どきの能楽鑑賞(その1):能楽を楽しもう

●能を鑑賞するには

能楽堂やホール能、薪能など

能や狂言は能楽堂や劇場での上演が一般的です。室内なので集中して観ることができます。
また薪能(たきぎのう)といって、野外で上演される能もあります。神社仏閣で行われることが多く、風が吹いたり鳥や虫の声なども聞こえることがあり能楽堂や劇場とはまた違った雰囲気で、篝火(かがりび)も幻想的です。
能・狂言は歌舞伎などと違って、連続公演がなくその公演一度きりの場合が多いです。同じ能楽師で同じ演目を上演することが稀なのです。
ぜひ一期一会の舞台を生でご覧くださいね。

画像2

写真提供「飛鳥山薪能実行委員会」
(「飛鳥山薪能」は2021年10月21日(木)に開催予定です)


オンライン配信

現在、能楽師の方々や能楽堂の主催で、公演や解説動画をオンライン配信しています。
字幕や解説を載せていたり、ダイジェスト版で観やすい能もあったりしますので、ぜひ検索してみてください。
収録方法にもよりますが、後方の座席からは見ることの出来ない面・装束、作り物などがアップにされてじっくり鑑賞できるのも、配信公演のメリットですね!

【京都観世会】
https://www.youtube.com/channel/UCQUAGy8j3gkfqw5tWZe4acA

【銕仙会】
https://www.youtube.com/channel/UCTHoa-BOqFv7Hc5XUQzArZw

【宝生会能楽公演配信】
https://www.youtube.com/channel/UCZT4CvVrGzb0o58X7IKdMLg

【金春円満会】
https://www.youtube.com/channel/UC-aRpYEXH0OxNP3Hg4CEH5Q

【横浜能楽堂】
https://www.youtube.com/channel/UCAsjv1plNL7nhQ5ZHJF4j5g/videos

【川崎文化財団】
https://www.youtube.com/channel/UCMDVYbeTYR2RTGBJc7C2-wg

【大槻能楽堂】
https://www.youtube.com/channel/UCpWvY0oUWSQqnsHPHPVDaCg

他にもまだまだあります!


DVD

NHKで放送された公演や、昭和の名人の舞台などがDVDになっていて、今では観られない能を観ることができます
中には貴重なモノクロ映像もあります!
檜書店で取り扱っている映像はこちらです。
https://www.hinoki-shoten.co.jp/av/

画像1


●おすすめの鑑賞方法

実際、お能を鑑賞する前に以下のことを意識しておくと、より楽しめると思います!


あらすじを知っておく

能は昔の言葉に節(ふし)をつけて謡っているので、聞くだけで物語を理解するのは難しいかもしれません。
そのため、物語のあらすじやみどころに目を通してから能を観ると状況が分かりやすいです。
ネット上でも見られますし、公演のパンフレットにもあらすじが記載されていることもあります。
また能の題材になった古典文学(平家物語・源氏物語・伊勢物語など)を予習するのもおすすめです。


能面や装束、お囃子など観る目的を一つ決めておく

ストーリーを追うだけが能の楽しみ方ではありません。
能楽師が身に着けている、能面や装束は代々受け継がれているものも多く、博物館や美術館でもめったに見られないものもあります。
そんな貴重な能面や装束に注目して鑑賞するのもおすすめです!

また、能にはお囃子という音楽があります。
笛はお囃子の中では唯一の旋律楽器です。また、小鼓、大鼓、太鼓は音だけでなく、掛け声やたっぷりタメを作った間(ま)も感じてみてください。
お囃子に注目するのもいいですね。


まずはそのまま楽しんでみる


あえて、事前情報を一切入れずに舞台を観てみるのも一つの方法です。
一昔前の入門書には、そのように書かれることも多かったのですが、何も知らずに舞台を観ても「何を言っているのか全然わからず楽しめなかった」と感じるお客様が、現在は多いかもしれません。

しかしお能は観れば観るほど、新たな発見があると思います。


お能をより深く知っていくと、日本の文化や精神性、西洋音楽とは違う音楽性など、今まで気づいていなかった日本を知ることができるかもしれません。
最近は、能楽師の先生方もオンラインで配信したり、解説動画を公開していますので、より身近に能楽を楽しめるのではないでしょうか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?