生と死に囲まれて

10月30日午前0時頃
ソウルの大きな坂において10万人による将棋倒しが起こった。死者149名。

私は気が気ではなかった。
友達であり親友であり妹の様に
可愛がっていた子がソウルに
遊びに行っていた。

電話は繋がらない。
LINEの既読はつかない。
頼むから…
無事で生きててくれ。

Twitterやニュースでその子に似てる人が
倒れていないか?を目を凝らして
探していた。
日本人の死者は居ないか?
そればかり気にして寝られずに不安で
死にそうになっていた。

ところが……

本当にふとした瞬間だった。
何気なくイヤホンを外した。

私は外国人がほとんどのゲストハウスに
住んでおりカーテンで
仕切られた2段ベッドの下で生活をしている。
向かい側の2段ベッドへの距離は1m半位。

10月30日午前5時
「ぴちゃぴちゃ」

何か聞こえる。
“ん?”

「はぁぁぁ…」

“ん?”

2、3回聞こえてきた。
察した。

“あっ。オナニーしてるのか!?”

そう思った私は興味本位で耳をすませた。
すると…

洗濯機を回しているのかと
思うようなピストン音が
辺りを覆った。

「がしガシガシガシガシ」

“激しいw”

この音が弱まる事はなかった。
そりゃあそうだ。

妹分の安否が気になる反面、
横の外国人がSEXをしてやがる。

“生と死の狭間やん、隣り合わせやん”

ニュースに戻る。
日本人の被害者は未だに確認が取れてない。

「キシキシキシ」

“あっ。クライマックスだ”

①ニュースに戻る。
②新しい動画がアップされる。
③見る
④妹分らしき人は見えない。
⑤安心と恐怖が襲う
謎のルーティン。

10月30日午前7時頃
「ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”」

“終わったw”

また謎のルーティンを私は繰り返す。
未だに安否はわからない。

「ぴちゃぴちゃ。」

“2回戦目!?”

“おいおいwwww”

 この攻防はあと1時間くらい続いた。

“おっ!?動きがあるぞ!!”

外国人がカーテンを開けた。
私はすぐさま飛び起きて自室のカーテンを
少し開けて観察した。

“やっぱり…外国人か……w”

しかも両方昼間に話しているのを見かけた
2人だった。

“こいつとこいつは別の旅行者のはず…”

  ∧_∧

   ( ・ω・)

   | ⊃ ⊃ ドゥーン!

  └-⊃~⊃

            

   ||

              

  _ _  /(___

/  (____/

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄""


そんなことはどうでも良くて。
就寝した私だったが
“起きたら妹分からのLINEが
帰っできていなかったらどうしよう”

不安まみれの私は無事5時間の睡眠の後に
妹分の安全と無事を確認したのだった。

ツーっと安心の涙が出てきたのは
言うまでもない。

ついでに隣のセックス野郎共は連泊してやがる。
今日もヤるのか?

楽しみだ。





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