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どんぐりたち

どんぐりたちが「誰が一番えらいか」を争う裁判に招かれた一郎少年は、一番の馬鹿が一番えらい、と判決して、彼等をしいんと固まらせてしまいます。

山猫は、「わたしの裁判所の、名誉判事になってください」と喜び、これからは「用事これありに付き、明日出頭すべし」という葉書で招く、と提案します。

「なんだか変ですね」と断った一郎のもとには、以来、葉書は届きません。「やっぱり、出頭すべしと書いてもいいと言えばよかった」と少年は後悔します。

閑話休題。「ギョーカイの情報交換をしたい」との行政からの依頼を渋々と受けた翌日、届いた公文書には、「ヒアリングの実施について(依頼)」とありました。

(情報交換とヒアリングは、同じものではないでしょう…)

他人より優位に立ちたい、という逃れられないシタゴコロは、『どんぐりと山猫』の中にも、一郎少年の中にも、私たちの中にもありました。



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