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ウエイトライスを贈る

ウエイトライスを贈る新郎新婦の涙と、それを受け取る彼等の両親の涙。それを見守る友人たちの涙。それらに釣られて、私も暗闇に紛れ涙を拭っている。

新郎新婦の出生時の体重と同じ重さのお米に赤ん坊だった頃の写真やメッセージを添えて両親に贈る。それがウエイトライスです、と司会が説明してくれる。

初めて我が子を抱き上げた記憶と、近くから遠くからその成長を見守ってきた月日と、彼と彼女が旅立っていく寂しさと。私の腕にも米の重さが伝わってくる。

「ずるいよ、そんな演出されたら、他人だって泣いてしまうやん」。自分の両親に同じ感動を味わわせてやれない後ろめたさもありながら、涙を拭っている。

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結婚式の思い出

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