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今年の3曲目

今年の3曲目、中島みゆき詞“糸“、聴きました。

「実際の富士は、鈍角も鈍角、のろくさと拡がり、東西、百二十四度、南北は百十七度、決して、秀抜の、すらと高い山ではない」。

『富嶽百景』の冒頭、富士山に対する太宰治の筆は、辛辣です。そりゃあ、そうです。古くから、その山の良さは、画に文に言い尽くされてきました。

言い尽くされ過ぎて、今更その良さを口にすれば、かえって俗っぽく聞こえてしまう。それで、「これは、まるで、風呂屋のペンキ画だ」と悪態をつきます。

“糸”は、私にとっての富士山です。ウィキペディアによれば、54組の歌手が、この曲をカバーした、といいます。


なぜ めぐり逢うのかを
私たちは なにも知らない
いつ めぐり逢うのかを
私たちは いつも知らない
どこにいたの 生きてきたの
遠い空の下 ふたつの物語

縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布は いつか誰かを
暖めうるかもしれない

なぜ 生きてゆくのかを
迷った日の跡の ささくれ
夢追いかけ走って
ころんだ日の跡の ささくれ
こんな糸が なんになるの
心許なくて ふるえてた風の中

縦の糸はあなた 横の糸は私
織りなす布は いつか誰かの
傷をかばうかもしれない

縦の糸はあなた 横の糸は私
逢うべき糸に 出逢えることを
人は 仕合わせと呼びます


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