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向田邦子(2)



向田邦子さんは、22歳の冬を手袋をせず過ごしました。お金を払えば、それなりの手袋は手に入ります。どんな手袋でも指先を温める程度の効用は得られます。

でも、「気に入らないものをはめるくらいなら、はめないほうが気持ちがいい、と考えていたようです」。40代になった向田さんが振り返ります。

「一体どんな手袋が欲しくてあんなやせ我慢をしていたのか全く思い出せないのがおかしいのですが」。そんな向田さんを見兼ねて、彼女の上司がいいました。

君のいまやっていることは、ひょっとしたら手袋だけの問題ではないかも知れないねえ

その言葉は、私の胸にも刺さります。そう、私も彼女同様、「私には、もっと別の、何かがあるのではないだろうか、と、あきらめ悪くジタバタして」います。


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