気付いてほしい

気付いてほしい。気付かれてはいけない。気付いてほしい。気付かれてはいけない。Ｓの笑顔、冗談っぽく触れるＳの体温。その１つ１つに心がざわつく。

なのに、そのざわつきをＳに気取られてはいけない。気付いてほしい。気付かれてはいけない。気付いてほしい。気付かれてはいけない。

どれだけ望んでも、どれだけ愛しても、Ｓが求める相手に私はなり得ない。それを自分で分かっていながら、でもまだ求めてしまう。

１人で舞い上がって、１人で不安になって、１人で絶望して、疲れてＳの不幸をさえ祈ってしまう。我ながら偏執的なこの頃の私は、もう随分と滅入っている。