故郷へ(2)
故郷へ帰って行った君は、いう。「今回、家貸してくれたけん病気せんですみました!ありがとうございます!また来る時は連絡しますね♪」。
君のことで1人で不安になり、1人でイライラし、1人で疲れていた私は、君が残していったその無防備な文面に行き当たり、そのたび何度も泣きそうになる。
「病気せんで、本当によかったナァ」。他のことは打ちやって、心底そう思う。そして、君への親愛の情とスケベ心を切り分けられなかった自分を悔いている。
これから私は、この町で見返りを求めない人間になれる努力をしてみるョ。新幹線に運ばれて遠ざかっていく小さな身体を思い、また泣きそうになる。
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