赤ん坊

赤ん坊は、眠りながら笑ったりします。無雑なその笑顔を見て、「どんな楽しい夢を見てるんだろか」と、汚れっちまった大人たちは、想像します。

けれど、生理的微笑ともいわれる新生児の笑顔は、楽しくて笑っている顔ではない、と医学的には説明されます。

非力な彼等は、親の意識を自分に向けさせ、愛情を獲得し、保護されなければ、生きていけません。そのために獲得した術が、あの微笑なのだ、と。

表情の変化はお母さんのお腹の中から生じている、と聞けば、目の前の微笑がいじましくさえ見えてきます。

子どもは、どの子も、神はまだ人間に失望していないというメッセージをたずさえて生まれてくる。（ラビンドラナート・タゴール）