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ものぐさ太郎が住んでいた「あたらしの郷」
ものぐさ太郎が住んでいた「あたらしの郷」とされる場所が、松本市内にあります。松本大学の近くです。小さな公園になっていて、彼の像が置かれています。
大学生への教育効果として、ものぐさ太郎の顕彰は、いかがなものか、と思えなくもありません。それでも、とかく日本人は、この種の出世話を好みます。
でも注意深く読めば、彼には実は歌の才があり、血筋がよく、その上イケメンで、つまり、ものぐさを補って余りあるポテンシャルを持ち合わせていました。
「大学生諸君、単にものぐさなだけで立身出世したという昔話は、存外少ないものだ」。公園の前を自転車で走り去る彼等に、私は、小さくゲキを飛ばします。
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