山から戻ってきて
昨日の夜に自宅に戻ってきて、今日は朝から洗濯や片付けをして過ごす。
はじめはお天気だったけれど、後半は雨でかなり濡れてびしょびしょになった。
初めての尾瀬。キレイだよ、とは聞いていたものの
行ってみると想像以上だった。
正直なところ、上高地みたいに人がたくさんいるのではと思っていた。
お天気が今ひとつだったおかげか、そんなに混み合っていなく、静かだった。
雨の降る早朝は、聞こえてくるのは鳥の鳴き声だけ。
霧がかかって、山が隠れて水墨画のよう。
初日に燧ヶ岳に登る。予定では2日目に登る予定だったのだけれど、
お天気が雨予報になっていたので、変更。登り始めて、前日の雨で
ぬかるんだ道と段差のある階段にいつまで続くのかと思いながら一つ目の
開けたところまで、心の中で、「オムマニペメフム」と唱えながら。
真言はきつい時に力をくれる。
少し休憩をしてから次の開けたところまで、再び足を一歩一歩前へ。
最後の急な登りを終わって、登頂。360度広がる景色。
尾瀬沼、尾瀬ヶ原、遠くの山々が見える。山登りはキツイけれど
この登った時の景色に疲れが飛んでしまう。
上りよりも、どちらかというと、下りが苦手。ぬかるんだところを
どの道を通ろうか選びながらゆっくりと。それでも、ぬかるんだところに
足を踏み入れてはやってしまったというのを何回か繰り返す。
途中景色の良いところで、休憩を取る。
お湯を沸かして、甘いカフェオレスティックの粉末を溶かして
カフェオレを飲む。山で飲むカフェオレはふだんの倍のおいしさ。
尾瀬沼にある山小屋、長蔵小屋に泊まる。
なんと、個室だった。てっきり相部屋かと思いきや、贅沢。
鍵がかからないのと、壁が薄いぐらいで旅館のような部屋だった。
ざぶんとだけど、お風呂にも入れて、夕飯はハンバーグがでてきた。
日本の山小屋ってすごい。
夕食の後、足がぱんぱんになっていたので、夫婦で楽健法をしあう。
ちょっと踏んでもらうだけで、ほぐれるほぐれる。
夜は21時消灯。隣の話し声も、静かになる。
疲れていたのであっという間に眠りに落ちる。
山小屋の朝は早い。4時半にはもう起きている人がいる。
早朝散歩に出ると、昨日は雲で隠れてしまった燧ヶ岳がくっきり見えている。
山が見えるだけで、なんとなくうれしい。
2日目は午後から雨予報なので、午前中に次の目的地へ向かって歩き出す。
ニッコウキスゲの群生を通って、パチパチ写真を撮りながら歩く。
木道はところどころ、傷んでいて油断は禁物。しっかり足元を見て歩かないと
穴があいていたり、シーソーのようになっていておっとっととなる。
前日に比べて楽な工程なのだけれど、きつい山登りの後で足が疲れているのを
実感する。普段からもう少し歩かなくてはと思う。
途中から雨が降り始める。1時間ほど雨の中歩く。山に雨具は忘れてはいけない必須だけれど、ちょっとテンションが下がる。
2日目の山小屋に到着。
弥四郎小屋も、木造の渋いレトロな建物。雨で景色は真っ白。
午後から雨が強くなっていく。お風呂に15時半から入れるというので
早めにお風呂。湯船で「あいにくのお天気ですね」と話しかけてくれる
人の顔を見たら、朝に写真を撮ってもらった女性。まぁ偶然と微笑んでくれた。
夕食後、ちょっと小雨になったので外に出る。
山小屋の後ろに見える山はなんだろうねと話していたら、霧が晴れて
燧ヶ岳の姿が出てきた。場所によって山の見える姿が違う。
あんな高い山に登ったとは、我ながらよく頑張った。
夜はすごい雨。そして朝も降り続いている。
早朝から出発の人の姿が見える。雨具を着て、リュックにも雨カバーをかけて。
歩くしか、車が通るところまで行かれない場所にあるので、歩くしかない。
翌日もう一つの山、至仏山に登ろうと予定をしていたので
次の山小屋まで歩くことに。天気予報をみると10時以降少し小雨だったので
カフェで少しコーヒーを飲んで待つ。
小雨になった頃に歩き出す。前日の雨で、木道が冠水してしまっているところも。
これは至仏山は難しいだろうなと思っていたら、途中で長靴を履いた年配のおじさんに会う。「雨が上がってよかったね。昨日はすごい降ったから。」
このおじさんは尾瀬の山岳ガイドを長いことしていて、最近引退したという。
至仏山のことを聞いたら、「道が大変なことになっているから無理しない方がいいよ。山は逃げないから。」と話してくれた。
そう、山は逃げないのだから、私たちも素直にまたにしようと思えた。
というわけで、最終日はゆっくり予定に変更。
足も疲れていたし、尾瀬はまた別の機会に来てみたい。
夏も良かったけれど、秋や、春の水芭蕉の時期も良さそう。
歩ける限り、尾瀬に行かれる。
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