退去費用、6万円取り返した話(導入編)

突然ですがみなさん、賃貸住んでますか!?予算ごとに選んで気軽に住めて、一定期間で住み替えるのも楽しみの一つ。でも賃貸の退去って、意外とお金かかりますよね?

実際には敷金から差し引かれる形で精算されることが多く、お金を取られたのではなく敷金が戻ってきたと思う方もいらっしゃいます。が、実際には「預けていたお金」を、理不尽な理由で抜かれているというパターンが存在します。

私は1年ほど前まで賃貸に住んでいたんですが、その賃貸の退去の際、管理会社ともめて裁判を起こしました。初めて裁判を起こしたので四苦八苦しましたが、冒頭の退去費用については自分で調べたこと、各種窓口に相談したことで大きな収穫もありました。入学や就職、転勤、家族構成の変化など、住み替え(引っ越し)の機会はたくさんあります。そのたびに万単位の支出があると無いとでは、懐事情も変わってきます。

賃貸住まいの方だけでなく、ご家族が賃貸に住んでいる、またはこれから自身が住む予定という方の参考にもなると思いますので、ご興味あれば読んでみて下さい。

とはいえかなり長くなるので、本エントリーを概要版として、詳細は別記事に分けてリリースしていきたいと思います。

1.トラブルの経緯と訴訟の結果

①退去する旨を管理会社に連絡

②退去立会を実施。請求された費用に納得できず、合意できない部分を指摘していったん仕切り直し。

③管理会社から、退去に関わる費用の見積を受領。こちらの指摘は反映せず、立ち合いでは提示されなかった追加費用まで乗せてくる。

④管理会社に再度指摘するも、管理会社は「お宅の考えとうちの考えは違う」と取り合わず膠着状態。

⑤色んな相談窓口に相談するが、最終的には「当事者同士で解決するしかない」と言われる。解決方法は「話し合いか訴訟」ということだけは分かる。

⑥管理会社が先方の主張する内容で清算を強行。

⑦清算されてしまったので、訴訟の準備開始。大家に、清算内容を改めるよう内容証明を送付

⑧訴訟のための文書作成を進める。めちゃめちゃ時間かかった…。

⑨退去費用の返還請求として正式に訴訟を申し立て

⑩返還請求の審理が行われる。こちらの訴えはほぼ全面的に認められるが、これ以上もめるのも嫌なので、主張の内容を譲歩して和解する。

ちなみに、管理会社の請求項目は納得いかないけれども「よくある内容」ではありました。おそらく、交渉するのが面倒で支払って済ませる方は非常に多いと思います。だからこそ自分で調べ、実は払う必要なかったんかい!ということが分かり、訴えを起こして認められ、お金が返ってきたことはとても大きいと思いました。試しに自分の周囲(同僚や友人、家族、親戚)に訊いてみたところ、退去費用は言われるがまま払ってしまうという答えばかりでした。

2.教訓と、読者の方へのおすすめ

ここだけは気に留めておいて!ということだけ、先に書かせていただきます。

●退去費用はひとまず疑え

まずはこれです。退去費用でなく「管理会社」と考えても良いです。「とりあえず請求しておけ、大多数は払うから」と考えている輩のどれだけ多いことか。これは、私がもめた管理会社の態度だけでなく、相談した窓口(役所や弁護士、業界団体など)や、知人、家族へ質問した時に感じたことでもあります。万単位のお金なのに、いいや払っちゃえで払う人、引っ越すたびにそれだけのお金を捨ててるとしたら、もったいなくないですか?

●契約書に書いてあることに従わなくても良い

正確には、そういう場合もある、ということですが、目から鱗だったので強調しておきたいです。少なくとも、私はこの一点だけで4万円以上が戻ってくることになりました。

また、多くの人が「契約書に書いてある」と言われればそれで説得されてしまうと思ったからでもあります。ぜひ、「契約書自体が不当な内容である」という可能性を頭において、チェックできるようになっていただければと思います。

●相談窓口は「助け」てはくれない。アドバイスだけ

これ、結構がっかりしたことなんですね。公的な窓口に問い合わせた時も、ある程度考え方や、自分の相談した事例に似たものがあるかどうかなどは教えてくれますが、彼らが解決に動いてくれることはありません。主体は自分自身です。

法律家に相談する場合、当然のことではありますが彼らは商売でやっています。退去時の請求費用が低い場合は、そもそも法律家に相談するとコスパが合わないということが起こります。自力でやった方が良い場合もあるということを覚えておきましょう。

●裁判所は融通利かない

書類の不備があると、延々突き返されます。とはいえ審理の際に不利になることもあるので、しっかりそろえましょう。

また、書類の不備について、素人に対しても専門用語だけで説明してくる人がいます。そういう場合はきちんと自分が分かるまで質問しましょう。後々の手間を減らすことと、審理で不利にならないために必要です。

●国交省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は必読

本当は、これを読め!だけで本記事の説明は達成できてしまうんではないかと思うほど重要です。ただ、情報量も多く、自分が抱えている問題に該当する事例を探す手間もあるので、まずはこれを入手することから始めてください。国土交通省のホームページにPDFが公開されています。

過去に多くあった退去時のトラブルに関する判例(裁判の結果)と、それらを積み重ねた上で定めた「こういう問題が起こらないよう、事前にここまで決めるといいよ」というガイドラインが載っています。ただの決めごとでなく、ガイドラインの個々の内容を定めた背景も書かれています。これを知っているだけで、管理会社が話している内容に突っ込むことができます。

以上、教訓とおすすめでした。

今後、別エントリーで詳しい経緯をお伝えしていこうと思います。聞いてやってもいいよ、という方は、次回以降をぜひぜひお楽しみに!


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