思い出。シベリア鉄道
ある方の記事にあったシベリア鉄道の文字を見つけて、ホコリだらけの思い出の引き出しがカタンって動きました。
三十数年前、仕事で今はもうないソビエト連邦を訪れた時、ナホトカからハバロフスクまでシベリア鉄道に乗車しました。
今も鮮明に浮かぶのは闇の中にポツンポツンと浮かぶ家の灯と静けさ。
そして
それとは正反対に夜空に埋め尽くされている星々。
カシャカシャカシャって瞬きの音が聞こえてきました。本当!
流れ星は願い事いくつもいくつもできるぐらいそこかしこに落ちて行くんです。
北斗七星にも手が届くようでしたから仲間と大騒ぎ。
暫く見入っていると、車掌さんが日本語で話しかけて来たんです。
日本語が懐かしくて思わず話したくなったそうです。
第二次世界大戦でシベリアに抑留され幾度なく死に怯えていた事。
戦後何時になっても帰国できず、
いつしかこちらの女性と恋をし、日本への帰国は諦めたと笑っておられました。
日本語お上手だっので、忘れませんか?とお尋ねしたら、歌を歌ったり、独り言を言ったりして頑張っているが。
だいぶ忘れてると苦笑いされていました。
最後に
熊本県出身なので是非一緒に
「五木の子守唄」を歌って欲しいと言われみんなで手を繋いて歌いました。
とても喜んでくれて、
一生忘れないと言って頂きました。
戦争がなければ…
手違いなく帰国できていれば…
でも、僕は生きていますから。
生きられていますから
と笑ってくれました。
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