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なぜ私たちは菊を供えるのか

 もうすぐお盆になりますね。僕たちの菊も一足早く市場への出荷を終え、来週から直売所やスーパーなどで販売する予定です。お盆といえば菊を供えるイメージが強いですが、なぜ菊なのか調べてみました。

 菊は、日が短くなると季節を感じて花を咲かせる短日植物です。そのため、お盆に向けて春先に定植する菊は日が短くならないように電気をつけて茎を伸ばし、花を咲かせたい時期から逆算して電気を消して育てる電照栽培やエスレルというホルモン剤などで開花を抑制する栽培をしています。


 そんな菊ですが、平安時代から楽しまれていたとされていて、江戸時代になるとさまざまな品種が育成され、菊人形のような細工も作られたそうです。
 現在でも、皇室の紋章は菊の紋ですし、私たちが使う日本のパスポートにも菊の紋章が使われています。菊はまさに日本の象徴のような存在ですね。


 本題に戻りますが仏花として利用されるようになったのは、そう古いことではなく、戦後に菊が年中栽培されるようになってからだそうです。(元々、菊は秋に咲く花)一説には、お墓に菊を飾るようになったのは戦後に、西洋から持ち込まれた風習とも言われています。

 しかし、キクが仏花として利用される、もっとも大きな理由は、花の日持ちが良いことです。菊は水につけておくだけでも二週間以上も花が持ちます。
特に8月の気温が高い時期には大活躍、夏場には欠かせない花となっています。


 今ではすっかり仏花として定着していますが、最近では新しい品種も増え、ピンポン玉のように丸いフォルムの「ピンポン咲き」や花びらが細長く広がっている「スパイダー咲き」、花びらの密度が高い「デコラ咲き」など華やかで見た目が可愛らしく、人気となっています。
 皆さんもぜひ菊を仏花としてだけでなく日常に取り入れていただけると嬉しいです。


(写真は栽培しているスピカという品種です。)

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