齋藤孝『読書力』
現代の日本ではいつのまにか、本は「当然読むべき」ものから、「別に読まなくてもいい」ものへと変化してしまった。
この時代の変化に対して、まったく反対の姿勢を取る著者。
この本では、「なぜ読書をしなければいけないのか」という問いに、著者が真正面から答えようとしている。読書が習慣化している人間は、読書が素晴らしいものであることを知っている。そして、その素晴らしさを伝えたくなる。このような思いで著者はこの本を執筆したのであろう。
この記事では、全てを書き出すとキリがないので、『読書力』を読んで僕が感銘を受けた文章や考え方をいくつか局所的に紹介していこうと思う。
顎を鍛える食らうべき書
読書力という概念を分かりやすく、食べるということになぞらえて考えよう。
読書力があるということは、強い歯や顎を持っているということだ。強い歯や顎を鍛えるには、硬い食べ物を食べなければならない。いつまでも柔らかいファーストフードばかりを食べていれば、歯や顎の発達は妨げられる。そして、その後の栄養摂取にもマイナスの影響を与えてしまう。
これと同じようなことが読書においても起こっている。
現代の日本では、読書をする為の歯や顎が鍛えられるような硬い内容の本が敬遠され、アニメやゲームといった、柔らかい、自力で消費することを求めない食べ物(スナック菓子やスープのようなもの)へと向かう傾向が加速している。
読書の歯や顎は、鍛えられるべき成長期に鍛えることが重要だ。
・離乳食としての読書
児童文学は離乳食である。もちろん、離乳食としての児童文学は必要なもので、そこで吸収される栄養は豊富なものである。ただし、ここの段階を繰り返しても歯や顎が強くなるとは限らない。
・乳歯レベルの読書
推理小説や歴史小説、エンターテインメントものなど、分かりやすく読みやすい本は乳歯レベルの読書として挙げられる。これらの本は、内容がそもそも読み手が楽しめるように出来ている。ここではおもしろさが最優先される。
著者によると、この乳歯レベルの読書において循環し続けてしまっている人が多いということを述べている。
・永久歯の読書
太宰治や坂口安吾、井上靖、ヘッセなどがこの永久歯への生え変わりに貢献している作家だという。少し硬くてまじめだが、栄養があって、慣れてくるとおもしろい。心地よい精神の緊張が味わえるのが、永久歯レベルの読書だと述べている。
言葉を知る
考えることは、言葉で行う行為。言葉の種類が少なければ、自然と思考は粗雑になる。
色々な言葉を知っていることによって、感情や思考自体が複雑で緻密なものになっていく。
Q.「なぜ読書をした方が良いのか」
A.「言葉を多く知ることができるからだ」
この記事はここまで。読んでいただき、ありがとうございます!
実はnoteを書くのが初めてでしたが、どうでしょうか、、、
noteは気ままに不定期に投稿していく予定ですので、気に入って頂けたら、ぜひまた読んでみてください!
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