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この世に生を受けるまでの物語『序章』※短編小説風@1,800文字

この小説っぽいものは、私が自己紹介として伝える為に書きました。理由は単純に自己紹介をそのまま書いてもつまらなかったので、表現方法として選んだ感じです。

ただ小説をまともに読んだことがないので、小説と呼べるものではないかもしれません。気持ち的には、頭の中のストーリーを思いついたまま書いただけです。

何故生まれる前の話から自己紹介をしているかって?それは後程、明らかにします。

精子は助け合って卵子を目指す的な知識をどこかで得たので、私が趣味のロードバイクのレース風景と掛け合わせたりしてストーリーにしました。
株式投資もしているので、トレーダー的な考え方も盛り込みました。

あと最近、戦争などの争いごとが多いので『平和主義が一番』というメッセージ性も込めました。人間平和が一番っす。

合理的なDNAシステム

この世に生を受けるためには過酷な試練を潜り抜けなければならない。
時として助け合い、騙し、傷つけあいながら私達は一つのゴールを目指す。

その姿はまるでロードバイクのトレイン走行の様に群れを成し、水の抵抗を避け移動速度を上げた。

レースでは数えきれない程の集団が形成されたが、多くの集団は早い段階で内部崩壊を起こす。
理由は単純。助け合いが行われなかったのだ。

私達人間にとって最も大切なものは何か。
問うまでもない『社会性』である。
レースの段階で社会性がない者は生き残れない、合理的で美しいDNAシステムがそこには存在した。

そして、そのゲーム本質に一早く気が付いたのが私達だった。

平和主義者

隣で泳いでいた奴がこう言った。
「このゲームの攻略法は協調性にあると思う!仲間で傷つけあっていたら辿り着けないよ!」

それには私も同感だった。
「自分もそう思う、一緒に組もう!」と応答する。
そんな感じで考えに賛同してくれる者同士で集団を形成した。

私達のグループは順調にゴールに辿り着こうかとしていたが、ここで問題が発生する。

目視した時点でゴールの数が少ないのだ。
どう考えても全員がゴールに辿り着く事が出来ないのは明らかであった。

「協力しなければ辿り着けないゴール。それなのに、最後は戦わなければならないなんて…」
最初に声をかけてきた奴がそう呟く。

ただ私はここで疑問を感じる。
「協力のレースゲームなのに、最後は争い?それはどう考えてもおかしいだろ…」

そう考えるのも束の間、他の仲間が殴りかかってきた。

頭で考えるよりも先に直感が「今は逃げろ」と告げる。
私は最初に声をかけてきた奴にこう言った「2人で協力して逃げよう!」
なぜそいつに声をかけたのか今でもよく分からない。まぁ、これも直感である。

「えぇ?!ゴールは目の前だよ!他の仲間に先入りされたらゲームオーバーだよぉ…」困惑した表情をみせたが、そいつは迷わず一緒についてきてくれた。理由は単純。戦うのが怖かったのだ。
ゲームには勝ちたい、でも争いたくない。私達の性格は既にこの時から決まっていたのかもしれない。

そんなこんなで、二人で協力したことで私達は他の仲間が追いつけない速度に達する。
戦い傷つけあう仲間達からとにかく逃げまくった。とにかくガムシャラに逃げた。

3億分の2

ボロボロになりながら戦いに勝った仲間がゴールに入っていく。

「あちゃ~、ゲームオーバーだね。でもあんな殺し合いしてまで生きたいとは思わないや…逃げて正解!」
それには私も同感で「やっぱり私と気が合うな」と再確認。

それでも何となく諦めきれず、殺気だった仲間が居なくなったのを確認し、再びゴール近くまでやってきた。案の定ゴールは閉ざされていた。

「まじかぁ…私の直感外れじゃん」と呟いた数秒後、何かがゴールから吐き出された。…バシャッ。

呆然とする私達。
原形をとどめていない程にグチャグチャになったそれが、先ほどボロボロになりながら戦いに勝った仲間だと理解するまでに数分の時間を要した。
私が理解すると同時に「ほぎゃぁああ!?!?なんでええええ!!!」隣に居た奴が絶叫する。とにかくこいつはオーバーリアクションらしい。落ち着け。

ここで冷静に仮説を立ててみる。
一つ目、そもそもこのゴールはフェイクで別のゴールが存在する可能性。
二つ目、まだレースは終わっておらず最終ゴールに辿り着けなかった可能性。
三つ目、他に何らかのゴール条件が存在しそれに適合していなかった可能性。

まぁ全て可能性として無くはない。

ただ単純に考えてまだレースが終わっていないのは確実。目の前のゴールは開かれている。
それならば、戦いボロボロの状態でゴールする事が不可能だったと考えるのが現実的だ。

「目先のゴールに飛び付かなくて正解だったな…」妙に冷静な自分が居た。

「えぇ~ちょっと顔キモくない?」
いやいや顔ないじゃん!というツッコミはさておき、心ではドヤ顔をしていた。
既に私達は、心で通じ合えるそんな関係になっていたのかもしれない。

そうして私達はゴールに向かって歩き出す。生まれる時は二人同時に生まれると信じて…。

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