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“クレーマー”になりがちだった夫。本人はどう思っているのか聞いてみた

夫リチャ(@papa_ritya)はとても短気な人でした。

このままでは別れるしかないと決めて何度も話し合い、子どもが生まれてからはずいぶん落ち着いていた・・・のですが。

私へのモラハラや酔っぱらいとの言い合いなど大きな揉め事はなくなったものの、どうしても揉めやすいのが「企業とのやりとり」

役所・病院・ハウスメーカーとのやりとりなど、企業と話していると表情が険しくなり、一触即発の空気になることが多発していました。

なぜこうなってしまうのか?

とある窓口でのやりとりを書き出し、夫本人と一緒に分析してみることにしました。

※結婚前~次男出産までのやりとりはこちらにまとめています👇

とある窓口でのやりとり

今回、夫と一緒に考えた場面の記録がこちらです。

事務:手続きが終了し、料金の明細説明をする

夫:険しい表情で数秒間ジッと明細を見た後「これは〜ってことですか?」と質問する

事務:「そうですが。担当を呼びましょうか?」
私たちの後に待っている人が多く、夫の言い方に対して若干の焦りと苛立ちがある

夫:「いや、いいです」「この◯◯費っていうのは何なんですか?」
窓口の苛立ちを感じて表情がキツくなり、“窓口の発言はおかしい”と思っている

事務:「疑問なら担当者に変わります。こちらは全員にお支払いいただいているものなので」
夫の言い方に苛立ちながら説明を続ける

夫:相手の言い方に苛立ち、言い返そうとする

私:にらみ合いの空気に耐えられず「あの、わかりました。すみませんありがとうございます」と会話を終わらせる

にらみ合いになるのはいつもこのパターン。

夫は、料金明細やサービス説明など、詳しい内容を自分できちんと理解したい人です。それ自体はとても良いことだし頼りになるのですが、そこでほぼ毎回といっていいほど、相手と一触即発の空気になってしまいます。

企業とのやり取りは「こういうもん」?

まずは夫に、何か思い当たる原因はないかを聞いてみました。

私:同じような場面があまりに多いとは思わない?

夫:ヒナといる時にたまたまそういうことが多いんじゃない?確率論的なものかと思うんだけど

私:え、とてもそうは思えないよ

夫:そうかなぁ。だとしたら、窓口とかと話すのは“こういうもんだ”と思ってる部分はあるかもしれない。自覚はなかったけど

私:「違う場所、違う相手とでも同じ揉め方をする」=「自分に原因があるかもしれない」と思ったりはしない?

夫:思わない。相手がなんかイラついてるなーと思うだけ

私にとっては全く予想外だったことに、そもそも夫は相手とのやり取りを「こういうもん」だと思っていることがわかりました。

そりゃどんなにやめてほしいと言っても伝わらないわけだ・・・

一緒に暮らしていても別の人間。何を感じてどう生きているか、話してみないと本当にわかりません。

ニコニコしながら言えば問題は起きない?

ここで夫からの疑問が。

夫:ヒナが言ってるのは「意見があっても言うな」ってこと?

私:そんなことないよ、言い方の話

夫:じゃあニコニコしながら言えばいいってこと?前にヒナが言ってた「リチャ(夫)は真剣だったり悩んでたりすると睨んでるように見える」と関係ある?

私:関係ある!ていうかむしろそれだよ!ニコニコしながら言えるなら何の問題もないよ。でも癖で表情が険しくなってしまうなら、先に「ゆっくり見せてもらっていいですか?」って言葉で伝えるとか、なんらかの工夫はした方がいいと思う

夫:うーん。みんなそうしてるのかな

私:そもそも、ちゃんと明細確認とかする人が少ないと思う。さらにあなたは人をにらんでいるように見えやすい。その状況が重なると、相手に「クレーマーかも」って警戒されることもあるんじゃないかな

夫と付き合い始めたころ「言い方を工夫してほしい」という話で何回もぶつかりました。

夫の中では「どんな言い方をしても内容は同じ」という意識が強く、わざわざ工夫する必要を感じないらしい。

ここで改めて夫に確認してみます。

私:相手と揉める気はないんだよね?

夫:まったくない!

私:そうだよね・・・私にはそれがわかるけれど、その場限りの相手にはやっぱり伝わらないと思う。今のまま何もしなければ毎回険悪になるだろうし、意識して表情とか言葉をやわらかくする工夫をしてほしい

夫ひとりで生きていくなら、今のままでもいい。

でも私は毎回トラブルになる人と一緒に行動するのはつらいし、何より、私たちには子どもがいる。

学校とか病院とか、こちらから意見を言わなくてはいけない場面はたくさんある。今のままではいざというときに頼れないし、むしろ私がフォローに回ることになってしまう。

一緒に育児をしていきたいのに、これではあまりにつらい。一緒に考えてほしい。そう伝えました。

夫自身が見えていなかった心の中

話をしていると、夫自身も意識していなかった心の中が少しずつ見えてきました。

ひとつは「相手がどこに苛立っているのかわからない」という純粋な疑問。

そしてもうひとつは「疑問点を聞きたかっただけなのに何故イライラされたのか?」という被害者意識です。

夫:相手がどこにイラついているかわからない。たとえば「時間がないから担当に話してください」とか「ちょっとあとにしてもらえますか」って具体的に言われればわかるけど。そういう表現はされなかったよね?

私:なるほど、相手側の動きとか気持ちは見えてなかったのね。私は逆に気にしすぎるタイプだから、お互い極端なのかも

夫は相手のイライラポイントがわからず、さらに自分がクレーマーとして対応をされていた自覚もありませんでした。そのため、相手が明らかに切り上げようとしていても明細確認を続けたり、質問をくりかえしたりといった状況になりやすい。

相手は余計にイライラし、夫はなぜイライラされているのかわからずイライラ。完全に悪循環が生まれていました。

私は「相手からどう見えているか」を極端に気にしますが、夫は逆に相手目線が消えてしまうことが多いようです。

例えば、別の日のこと。

車の停め方を注意されてイライラした夫は、他の車を指して「あいつ(車)が邪魔」と一言。でもその車の停め方はルールに沿ったものでした。あくまで「今の夫から見て邪魔に感じた」だけなのですが、そこで相手が悪いように感じてしまったらしい。

今回の窓口をとってみても、相手の事情を気にしないで進めてしまうことからトラブルになりやすいように感じます。

夫:今回の場合、先にイラついたのは相手だよね?それなのにこちらが理解を示すべきなの?

私:相手は窓口担当で、他人だから。相手の対応が正しいかどうかはともかくとして、教えてほしい・話を聞きたいなら、揉めるのは得策じゃないと思わない?

夫:うーん・・・

私:もししっかり対応してくれない相手なら、冷静に伝えて担当を代わってもらうのもひとつの手段だと思うよ。こちらがクレーマー扱いされちゃうのを避けることにもなるし

夫:クレーマー扱いされるのがダメなの?

私:ダメというか、そうなったら「クレーマーの気持ちをなだめる」とか「早く帰ってもらう」とかがメインになって、本来の話を聞いてもらえなくなるんじゃないかな

「クレーマー扱いされるのがダメなの?」という質問は完全に想定外で、ダメ?別にダメじゃない?と一瞬悩みました。

でも、クレーマー対応では本来の要望や思いは聞いてもらえないように思います。

イライラせずに落ち着いたトーンで毅然と話をすることで、相手にきちんと意見を伝えることができるのでは。そう私なりの考えを伝えました。

これが「正しい」かどうかはわかりません。でも「イライラする」「怒る」ことにはリスクがあると思うんです。

最後に

この時の話し合いから約1年、同じ揉め事は起こっていません。

今の夫は穏やかで、子どもたちにとっても私にとっても、頼れるとーちゃんです。

夫の中で何が起こったのか、本人にすらよくわからないんだそう。でも、伝え続けたことはきっと無駄じゃなかった。

夫と私にはおそらく全く違う世界が見えています。かみ合わないことが多いのは当たり前。

話し合ってつらくなることもたくさんあったけれど、ずいぶん世界を広げてもらったのも事実です。

最後に、自分の良くなかったかもしれない行動を振り返るという決して楽しくはなく苦手なやりとりを、冷静に、一緒に考えてくれた夫に感謝しています。

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