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あんな風に歌いたい。


清水みいしゃちゃんの歌声を聴いて、いてもたってもいられなくなり、夜中に外へ出た。


シェアハウスでは大声を出せないので、人影のない夜道で腹の底から声を出して、ドライフラワーを歌う。さっき聴いたみいしゃちゃんの歌声と比較してしまって、落ち込む。


「おれってやっぱ歌下手だな」
「おれにはあんな風に歌えないのかな」


なんて思う。でも、努力した先の自分の歌声をまだ知らないから諦めきれず、あぁでもないこうでもないと歌ってみる。


毎日レッスンを受け、音楽にどっぷりと浸った環境に身を置きたいなぁとかも思う。


誰かを癒すような、ささやかで優しい歌声。
それもそれでいいけど、やっぱり鳥肌が立つような迫力のある歌声に憧れる。


けどぼくがリスペクトしている歌手は、みんな子供の頃から音楽が生活の一部で、たくさん歌を歌ってきた人たちばかりだ。


あの人たちが歌ってた時、ぼくは野球に明け暮れていた。そりゃあ、勝てっこないじゃない。落ち込むことじゃない。勝てなくて当然。潔く白旗をあげて、ぼくは別の道を歩むことにしている。


それでもいつの日か、『歌手』と呼ばれる人たちと肩を並べて、一緒に歌を歌ってみたい。その為には、自分が同じステージに立てるまで成長するしかないと背筋が伸びた。やるっきゃない。


今一度、自分の身をおくべき環境をちゃんと考えたいと思う。




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