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昭和生まれゲイと男子大学生の実話② 出会い

私は自分が普通の人と
違うと感じ始めたのは、
中学生になった頃だったと思う。
大学を卒業するまでは
特に何か行動を起こそうという気はなかった。
というかその方法を知らなかった。

でも社会人になって、そういった
世界の人と会うためのツールを知って、
今まで本当にたくさんの人と会ってきた。
健全な出会いもあるけれど
不健全なものの方がその数倍ある。
一時でも人の暖かさを感じられれば
それで十分だと思った。

そもそも人と仲良くなるなんて
得意じゃないし。

彼と出会ったのは1月ごろだった。
いつものように掲示板で人を探し、
私の暮らすアパートへ呼ぶ。
いつも通りさっさと行為を終えたら
解散、はいさようなら。

のつもりだった。

現れた彼は、
とても話がしやすく、
人懐っこくて、魅力的。
また会いたいと思った。
別にその先の事は考えていない。
とにかくもう一度会いたい
それだけだった。

だけど私(達?)が
恋に落ちるまでは
あっというまだった。
連絡先を交換し、
その日から1週間の間に
4回ほど会った。
ただ話をしただけの時もあった。
でもやっぱり
ほとんど身体の関係を持っていた。

それからほぼ毎日連絡を取り合った。
会いたい。かわいい。好き。
馬鹿みたいに言い合った。

初めてのデートは
ハンバーグとクレープを食べた。

幸せだと思った。

車の中で手をつないだ。
「危ないからやめようか。」
と笑い合った。

ずっとこうしていたい。
同時に同じことを言ったりして
また笑った。

彼の家に遊びに行ったとき、
得意ではないだろうに、
食事の準備をしてくれていた。
そんなことも知らずに、
少し食べてから行ってしまったけど、
不思議なくらい
余裕で食べることができた。
一緒にお風呂に入って、一緒に寝て。
いつまでも
この時間が続けばいいと思った。

私は同性同士で付き合う
ということに積極的ではない。
結婚するわけでもないし、
同性同士でずっと暮らす姿は
想像ができない。

世間体、他人の目、家族。

いつもみたいに、
周りのことを気にして、
足を止めていた。
でも、彼と過ごすうちに
少しずつその考えが変わっていった。
好きと言ってくれた。
一緒にいたいと言ってくれた。
付き合ってるみたいだ。
と言ってくれた。

好きでいて良いんだと思った。


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