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深夜を爆走するひたち号、一路上野へ

2021年2月13日に発生した地震で、東北新幹線が運行不可となり、その救済として走ったひたち22号上野行き(仙台~いわきは快速)の乗車記を記していきます。日本の鉄道の素晴らしさがわかるかと思います。

13:40 仙台駅

仙台に来たら行きたいと思っていた楽天生命パークへの訪問を済ませ
宮城野原駅から仙台駅へ戻ると張り紙が掲示してありました。

ひたち26・30号は全区間で運休致します。

これはまずい!!と思いました。なぜなら自分はひたち30号で帰るつもりだったからです。あーやばいやばいどうしよう新幹線も
止まってるしなあ...と思っていたらその下に

臨時でひたち22号品川行きを運行致します。

との文言が。すぐに駅員さんを拘束し、尋問しました。
自分「ひたち22号乗れますか?」
駅員「大丈夫です。確認してきますね」
数分後
駅員「席は空いてましたのでおとりしました。ただ、まだ列車は当分こないです」
自分「わかりました、ありがとうございます!」

手にした切符です。

下の切符は元のやつなんですが手書きで
「ひたちウヤ(運休の略語)のため救済」と書かれていました。
某宗教団体を連想し、ロッカーに預けていたボストンバッグを受け取り、その足でお土産購入とずんだシェイクを堪能しました

推しと一緒に飲むずんだシェイクは最高!!

こんなことをして時間を潰しJR東日本の「どこトレ」で折り返し列車の検索をしているとまだはるか遠くにいて困惑しました。
「ああ、そんなに状況が酷いんだな」と。
とりあえず入場して見ました。


15:00頃 仙台駅

15:30ぐらいに仙台駅6番ホームに入線する、と駅員さんからの放送があり待機していました。14:50頃に折り返しとなる列車は到着していたので、
あ、来るのかなと思って待ってましたが、15:30をすぎてもなかなか来ませんでした。その間に臨時快速仙台行きが入線し、30分間ほど6番ホームを陣取ってました。やがて、その列車は去っていき、そのまた10分後にいよいよ今回の対戦相手、E657系 K6編成が現れたわけです。

出発準備を終え、扉が開き、指定された席へ向かいました。実はこの時点で17:00をすぎていました。

17:10 仙台駅

信号が開通次第の発車だったらしいのですが、なかなか開通せず、岩沼には普通列車の方が早いという案内もされていました。
そんな時間がかかりそうだなーって思っていたらJRの社員さまからこんなものを頂きました。

食料というわけです。始めてもらいましたね。
ただすぐには手をつけず、発車を待っていました。

17:54 仙台駅発車(+239分)

ついに快速いわき行きが動き出しました。雨風強い中、ゆっくりなスピードで仙台駅を後にして行きました。この時点で239分の遅延が生じており、始発駅発車時点から、特急券払い戻しができることになっていました。
まあ、そんなことは関係なく、列車は最初の停車駅、岩沼駅に向けて、強風による徐行と停車をしながら走行していきました。

18:19 岩沼駅着 18:36 岩沼駅発(+254分)

岩沼駅の一つ手前の館腰駅との間で強風すぎて停車せざるを得ない状況になり、数分停車した後、岩沼駅に到着しました。すると車掌さんからアナウンスがあり、

岩沼駅発車後、お客様の目的地と明日の大学受験等の有無を伺いにJR社員が参ります。

との事でした。自分は終着の上野までとしっかり社員の方の目を見て(ここ重要)申し伝えました。
岩沼駅を経って次の停車駅は相馬駅なんですが これがまた強風で数回止められてしまい、所定の運転時分なんてあったもんじゃないぐらいに遅れていました。もちろん安全最優先なんで問題はありません。

21:13 相馬駅着 21:14相馬駅発(+371分)

4時間の遅れから6時間の遅れとなってしまいましたが相馬に到着し、
1分足らずですぐに発車していきました。

21:30 原ノ町駅着 21:49 原ノ町駅発(+376分)

相馬~原ノ町は、比較的スムーズに運転していました。
原ノ町駅到着後、再度水の支給を頂きました。
こう言ってはなんですが、乗客にとって至れり尽くせりの状況でした。
もちろん、社員さんは大変だったでしょうが。その節は本当に感謝しています!

0:07 いわき駅着 0:16 いわき発(+478分)

1番大変だったのはこの区間かもしれません。
通常1時間ほど(停車駅も多い)で着くはずが、この日は15日から16日になっていて驚きました。海に近いため、風が強く、そのために3、4回数十分の停車をし、徐行運転をして、やっとの思いでたどり着きました。いつも月曜日21:00~23:00ぐらいにやっている名古屋発のラウドでポップなガールズユニット、TEAM SHACHI(読み:シャチ)のメンバーである大黒柚姫さんと、リアル脱出ゲームでお馴染みSCRAPの瀬戸口俊介さんによるYouTube配信番組「柚姫の部屋」を本来の予定(ひたち30号)だったら、品川着ぐらいでエンディングを迎えていたはずなのに、列車内で迎えるという展開を迎えていてこの番組が終わった直後ぐらいから段々と疲れてきて、座るのがきつくなってきました。日をまたぎ、いわき駅に到着しました。本来いわき駅発は16:18頃の発車予定だったのですが、上記の時間に到着したわけです。
いわき駅では食料の配給がありアップルパイを頂きました。

この支給が終わると列車はいよいよ特急ひたち22号上野行きとして
深夜の常磐線を爆走し始めました。

0:23湯本駅発(+約480分)
0:28泉駅発(+479分)
0:37勿来駅発(+480分)
0:50高萩駅発(+480分)
1:01日立駅発(+479分)
1:05常陸多賀駅発(+479分)
1:09大甕駅発(+479分)
1:20勝田駅発(+480分)
1:25水戸駅着

このように順調に快走していました。途中から薄々気づいていたんですが
480分延、8時間延で走行してるんだと思いました。
水戸を出ると次は終着の上野駅まで停車駅はありませんでした。

1:28水戸駅発(+481分)

常磐線は普通列車でも在来線では速い130km/hのスピードで走れる路線であり、深夜でもあるので所定速度でありながらもかなり飛ばして走っていたように感じました。茨城県内を抜け我孫子や松戸などの千葉県も越え、
気づけば亀有駅の快速線を通過していました。複々線区間も終わると南千住、三河島、日暮里と通過してついに上野駅17番線に到着しました。

2:37上野駅着(+478分)

8時間41分で走破しました。駅のホームには社員さんが待ち構えており、降車される方の案内をしていました。乗ってきた列車は山手線や京浜東北線といったかなり朝早くから路線が動き出す時間、4:45まで解放され、しばしの休憩をここでも支給されたお茶とおにぎりでしました。
飲み物系をかなり頂き、全ては飲んでないのでこれから飲もうと思います。


地震で東北新幹線が寸断され、悪天候で常磐線が止まりかけても
JR東日本の方々の尽力により最後まで走破できたことは、長らく震災の影響で止められていた常磐線の恩返しとさえ思えてきました。昨年品川・上野~仙台が全線復活し、これからまた新たな歴史の1ページとして刻まれるのではないでしょうか。今回、偶然にもこういった体験ができたわけですが、改めて日本の鉄道の凄さを実感しました。JRの方々に感謝しています。ありがとうございました!

最後になりますが、被災された方の1日も早い復興を遠い東京の地からですが、願っています。また東北に旅に行きます!

んでね!仙台!!また来る!!

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