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収束せよ

休み。脅威の22度寝。22回ちゃんと寝て、23回ちゃんとアラームを止めた。

何の予定も無かったのでちょっくり小金井市まで行くことにした。「ちょっくり」「小金井市」まで行くことなんて中々ないが、寝る前に明日は小金井、と思ったので自分の身体の声をきちんと聞いてあげることにした。

1時間以上の移動。いつも地下鉄ばかり乗るので久々に地上線に乗ると毎回テンションが上がってしまう。晴れている時だと尚更。移動中、本を読む。穂村弘と結婚したら、健やかなる時も病める時もしょっちゅうファミレスに行くことになるらしい。好きな人とファミリーレストランに行くやつ、大好き。外食の3回に1回はファミレスでいい。というかファミレスがいい。それがいい。サイゼリヤにも行きたいしジョナサンにも行きたいしステーキのどんにもいきたい。でも今はとにかくガストのミックスグリルが食べたい。などを考えながら乗り換えてバスに揺られていたらゲートボールを嗜む男女2名ずつのグループを見た。激アツ。

行きたかった場所を行き終え、さあ都心の方へ戻ろうとバス停へ向かった。道中に『生/徒/募/集/中!』という看板。スラッシュを入れる必要はあるのだろうか。検索避けかよ。しかも最後の!は一緒にするんだ。謎の検索避けのおかげで「!」がアテンションマークという名前なことを知った。

え、これって本当に止まるの?と不安になるバス停でバスを待つ。地域のコミュニティーバスらしいがどう考えてもバス停が質素すぎる。

鏡に映ってるのがバス停。マジで何もない。

不安になって時刻表に目をやると、バスの現在位置と到着予定時刻がわかるQRコードが記載されていた。ハイテク。こんな質素で何もないのに。不安感を煽るバス停の自覚があるからなのだろうか。QRコードの先にあるバスの現在位置を見てものすごく安心した。バスはこちらにちゃんと向かってきているらしい。良かった。小金井市で一生を終えるところだった。途中、軽トラが何台か通り「まさかこれが!?」と思ったが全て前を素通りしていった。もうこうなるとどんどん不安になってくる。私以外コミュニティーバスとやらを待ってる人はいないし、近づいてくるエンジン音はぱたりと止んだ。段々陽が落ちてきているし、何より、ここら辺に住んでいるであろう人から「あいつ何してんの?」みたいな目で見られる。バスの到着予定時刻は過ぎている。地域の人に見られながらここで死んでいくのかもしれない。っていうかそのまま歩いていったほうがもはや速かった。もう何なんだ。何なんだ何なんだ。とりあえず一向に来ないコミュニティーバスを待ってみることにした。来ない。本当に来ない。私が今持っている食料品はミンティアピーチ味とほんの少し残った水くらい。どうしよう、死ぬんだ。と思っていたらエンジン音が聞こえ、ピンクの陽気なバスがきた!!嬉しい。ルンルンで乗り込む。乗り込んでバスのドアが閉まった時、さあ本を読むぞとバッグの中を漁るとあるはずの本が無かった。ロッカーに荷物を入れてきたのだ。あーーーーーもう最悪。さようなら、わたしの180円。さようなら私の不安で孤独だった20分間。一駅で降り、不貞腐れながら腕をブンブン振って歩く。知らない街、知らない1時間に数本しかないコミュニティーバス。もう嫌いだ。自分が悪いけど。施設内のロッカーだったので、施設に電話をかけた。忘れてしまって、はい、もう終わりの時間ですよね、はい、10分後にはつきそうなんですが、はい、〜と申します、はい、すみません と話した。もう人として生きていくには難しい気がする。いっそ、馬にでもなって、走った時の速度のタイムを人間と競って勝ち誇っていたい。午年だし。

荷物を回収し終え、コミュニティーバスをやめて西武バスのバス停に向かう。歩いている途中、コミュニティーバスが前を通り過ぎていった。にっくきコミュニティーバスめ。お前はもう嫌いだ。鮮やかなピンク色が私を苛立たせた。

夕方。今日はもうアイスティーのために行動していた。全てそこに収束させるために一日動いていると言っても過言ではない。バスを降り、電車に乗り換え、目的の駅で降りる。お茶をする気だったのになぜか古着屋を数店舗回ってしまい、気づいたらバカでかい紙袋を持っていた。一体誰の仕業なんだ。月収の1/3以上を使った。まだ6月も1週目だというのに私は今月生きて行けるのだろうか。でも可愛い服が買えて嬉しい。服なんていくつあったってずっと着てけるんだから実質タダ。と言い聞かせた。でもやっぱり怖い。銀行の口座がどんどん軽くなっていっているのが怖い。へそくり(去年やったフリマの利益)を出動させることにする。ふう。来月までどうにか生きながらえる。

その後は本屋に行き、ケニヤンでお茶をするつもりが麗郷で炒飯を食べていた。もう何なんだ。全く想定通りにいかない1日だったがひとつ確証を得たことがあった。教えよう。この世で1番有益な1,000円の使い方は、麗郷で海老入り焼き飯を食べることだ。もうこれで何でも解決する。全て。この世の問題や悩みが。今日起こった嫌なこともよく炒められた炒飯と一緒に飲み込んだので、退店する時には気分がめちゃめちゃすっきりしていた。ダイエットに励む方が「よく知ってる味は知っているんだから食べる必要がない」と言っていたが、数時間前に食べ終わったばかりなのにもう食べに行きたい。あの中国語が飛び交う厨房の音を聞きながら、カウンターで。バイマイセルフ。

大好き

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