わたしがあなたのペットだった頃。
「君は年が離れているから、恋人って感じがしないね。セフレってほどドライでもないし。なんだろうね」
ストーブの灯りで橙色に染まったその人の肌に触れながら、すこしだけ考えて「それならペットでいいですよ」と答えた。
男は肩まである自分の髪を邪魔くさそうに束ねて、いいねそれと笑った。
恋人ではない男のベッドで寝るなんてはじめてだった。
意外と平気。わたし、なんにも傷ついてない。
ベッドで過ごした数十分は、過去の恋人たちとしてきたのと変わらない、ただのセックスだった。
窓の外は雪