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家政婦の志麻さんの焼きそば

先日、日本テレビの『沸騰ワード』で
家政婦の志麻さんが焼そばを作っているのを見ました。

材料は、わたしが普段、家庭で使っている物と同じで
市販の焼きそば(ソース付き)
豚肉、キャベツ、玉ねぎなどの野菜。
特別な材料はひとつもありませんでした。
それなのに、志麻さんの焼きそばを食べたゲストのタレントのかたは
口をそろえて
「今まで食べたことがないほど美味しい!」と感想を話していました。

テレビ画面で観ていても
とても美味しそうな出来栄えでした。

材料は全く同じなのですが
下ごしらえと手順が違いました。

お金をかけるのではなく
手間をかけることで
とても美味しい焼きそばを完成させることができる。

人によって料理の味が変わるのは
こういう細かい作業の積み重ね
小さな試行錯誤の結果なんだな、と思いました。


もっと昔、昭和の頃。
日本のテレビの料理番組に
かの有名なジョエル・ロブションが出演することに決まりました。
その時代の日本のテレビスタジオにはキッチンがありませんでした。
「小さなコンロと流し台があるだけのセットでフランス料理を作っていただくことはできますか?」と尋ねたところ
「もちろんです。喜んで」
と快諾してくださり、小さなコンロで鮭を焼いてムニエルのような料理を作ってくださったそうです。

当時、料理番組の司会をしていた芳村真理さんは
後のインタビュー番組で
「ロブションは、小さなコンロにフライパンをのせて、その中で焼いている鮭を真剣に見つめて焼き具合を確認していました。少し持ち上げてみたり香りで確認したり丁寧で優しく手間ひまかけて料理を作り上げていきました。わたしは鮭が羨ましくなり、鮭になりたいと思ったほどです」
と回想していらっしゃいました。

料理に限らず
なにかと「早く早く」が重宝されるようになり
手間を省いたり
時間を短縮したりすることを大切にしすぎると
一つの作業の中に入っている数多くの貴重な体験の機会を失ってしまいます。

志麻さんもロブションも
少し時間をかけて
ちょっと手数を増やして
丁寧に作業をすることで
確実に技術を磨いていらしたのだろうと思いました。

それが結果に表れた時、揺るぎない信用になるように思います。


わたしも、いま
編み物をしているので
志麻さん流に、丁寧に丁寧に
同じ素材でもこんなに違うのね、と思っていただけるようなものを作っていきたいと思っています。


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