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猫の不妊手術に利用できる助成金について

野良猫不妊手術専門病院である当院においてよく質問される、不妊手術への助成金についてまとめてみました。

助成金には行政からのものと民間団体からのものに大別されます。基本的に重複申請はできません。

行政からの助成金は市や区単位での申請となります。地域によって申請条件や助成金額が大きく異なるため、お住まいの地域や猫ちゃんの捕獲場所に応じたものを使用する形となります。(こちらに関してはまた別の機会に。)

今回は民間団体からの助成金についてです。
*2022年6月時点の情報です。ご利用の際は各HPをご確認下さい。

当院で利用される団体は以下になります。(順不同、敬称略)
1.公益財団法人どうぶつ基金(https://www.doubutukikin.or.jp/
2.公益財団法人日本動物愛護協会(https://jspca.or.jp/
3.一般財団法人ネコイコネ(https://www.nekoikone.org/

以下詳細です。

1.公益財団法人どうぶつ基金


全国の動物病院と提携し、毎年多くの不妊手術助成を行っている公益財団法人です。2022年6月現在で協力病院はなんと180病院。また昨年2021年度の1年間での手術頭数は55,575頭に昇ります。他にも多頭飼育崩壊支援や全国出張手術など、全国規模での精力的な活動を行う団体です。

対象猫はTNRを目的とした飼い主不明猫のみとなり、飼い猫には使用できません。”さくらねこ”という名の通り、耳カットは必須となります。

【助成金申請方法】
HPより「さくらねこ無料不妊手術」ページへ

緑矢印のボタンをクリックし、マイページ登録へ

事業要綱を理解していただいた上で、マイページ登録

登録終了後から「さくらねこ無料不妊手術チケット」の申請が可能です。
このチケットによって協力病院での不妊手術の費用が無料となります。
*病院によって必須の項目(例:駆虫薬など)があり、そちらには費用が発生する可能性があります。また予約制の場合が多いので必ず事前にご確認下さい。
注意事項として、チケット有効期限内に手術の予約をし、当日は印刷したチケットを持参して下さい。また、使用後にどうぶつ基金への報告も忘れずに行って下さい。

2.公益財団法人日本動物愛護協会


ペットの遺棄・虐待防止CMで「犯罪者のセリフ」が記憶に残っている方が多いのではないでしょうか。CMやポスター、写真展などでの様々な啓発活動を行っている団体ですが、2016年から飼い主のいない猫への不妊去勢手術助成事業が開始されました。

対象猫は飼い主のいない猫、耳カットは必須となります。
助成金額はメスが10,000円、オスが5,000円が上限となり、これには手術以外の処置(ワクチンや駆虫薬等)の値段は含まれません。

【助成金申請方法】

トップページを下にスクロールすると「不妊・去勢手術費用助成」(緑丸)の案内があります

事前登録は必要なく、指定病院もありません。
毎年春(3月1日〜)と秋(9月1日〜)の年2回申請受付となりますが、予算に限りがあるため受付開始から1ヶ月も経過しないうちに申請終了となることが殆どです。こちらの助成を希望される場合は、受付が始まり次第早めに、且つ、HPかFacebookでまだ受付ているか確認しながら申請する必要があります。
また、提出書類が多く術前術後の写真も写真も必要となりますのであわせてご注意下さい。

3.一般財団法人ネコイコネ様


「飼い主のいない猫に いつでもどこでもリーズナブルな料金で 避妊・去勢手術が受けられる体制を普及していくために」という理念を基に設立された団体です。

対象猫は飼い主のいない猫、耳カットは必須となります。
助成金額はメスオスともに5,000円が上限となり、これには手術以外の処置(ワクチンや駆虫薬等)の値段は含まれません。

【助成金申請方法】

グローバルナビゲーション中の"助成金の申請"(緑丸)に申請方法等記載されています。

事前にメールでの連絡が必要です。指定病院はありません。
指定番号が発行された後に不妊手術を行い、書類と術前術後の写真を揃えた上で郵送。後日助成金が指定口座へ振り込まれます。
毎年200頭と上限が決まっているため、こちらの助成を希望される方はHPで申請を受け付けているか事前に確認して下さい。



昔に比べ全国での殺処分数は減ったと言われていますが、まだ3万頭もの猫が処分されているのが現実です。そのうちの多くが子猫です。
現在最も人道的な方法でこの殺処分数を抑えることができるのは不妊手術ですが、その負担の多くを全国にいる個人あるいは団体ボランティアが背負っています。

これら助成金を活用していただくことで少しでもボランティアの負担が減ること、1頭あたりの猫への生活や医療が充実することに繋がることを願っています。






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