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ぐーっと落ち込んだときの毛布と睡眠

新年早々にめちゃくちゃ落ち込んだ。

「今年の私は小さなことでクヨクヨしなくなった気がする!!!」


そう宣言した、わずか2日後のことである。

年が明けたぐらいで易々と、
人間は変われるものではないようだ。


照明の明る過ぎる店内、
話しかけてくる学生ノリの店員たち。

ジュウジュウと音を立てて景気よく焼ける肉を前にして、私の肩はどんどん落ちていった。

圧倒的「陽」の気に当てられたのだろうか。



いったい何に落ち込んでいたのかというと、昨年しでかした静かな失態について今更なぜか思い出し、落ち込んでいたのである。

けっこうなタイムラグである。
 

しかしながら肉はもりもりと食べていたため、家族には本当に落ち込んでいるのかと疑われた。もりもり、クヨクヨ、炎はメラメラ。忙しい。

後から考えればしんどさを肉で押し込もうとしていたのかもしれない。その作戦は思いっきり裏目に出ることとなったが。


 
帰宅後、陰鬱な気分は体調にまで影響した。
 
とにかく胸が痛いし、強い倦怠感と吐き気、
頭も痛い気がする。


「あぁぁぁぁーーーーー!!!!」


毛布にくるまり、めったに甘えない私が家族にもたれかかり呻いているというのに、家族はしばらくしてサッと席を立ち自室へ行ってしまった。

他人とは、なんとも都合のよくないものだ。


 
さて、残されたのは毛布と横たわる私。


背中を丸め胎児のようなポーズで、それでもまだ足りない気がして、毛布を頭まで被り私は貝になった……


目を覚ますと深夜1時。


わっ寝ちゃってた、と言うといつの間にか風呂に入った家族が温度のない視線を向けてこちらを見下ろしている。


寝るわ、と言い残し寝室へ消えていく家族の背中をぼんやりと見送りながら、胸の痛みがだいぶ軽くなっているのに気がついた。

ネガティブな思考に引っ張られたのは、帰省で疲れていたせいもあるかもしれない。


心が弱ったときには、物言わぬ毛布。
そして、睡眠。これ絶対。


この最強タッグへの信頼がまた、
一段と強まった出来事だった。


 


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