[OLYMPUS/OM SYSTEM]OLYMPUS PEN(ハーフフィルム)

オリンパスのハーフフィルムカメラ、オリンパスペンは1959年に初代モデルが登場。その後数々のバリエーションが生まれました。ペンシリーズは小型で軽量なボディに高性能を詰め込んだことで、一眼レフカメラの機能をコンパクトに持ち運べる画期的なカメラとして人気を博しました。

・最大の特徴、ハーフサイズ
ペンシリーズの最大の特徴は、ハーフサイズの写真が撮れるということです。35mmフィルムプリントの通常サイズであるL判の、半分の面積を使うことで一枚のプリントに2枚の写真を載せることが出来ます。そのため撮影した写真は縦長になり、縦長2枚を組み合わせることで通常の横長プリントになります。35mmフィルムカメラに比べて経済的でありながらも高品質な写真を撮影、また多彩な表現が可能です。フィルムは通常の35mmフィルムを使用します。

・レンズとカメラの種類
PENにはレンズ非交換式のコンパクトカメラ「PEN」シリーズと、レンズ交換式カメラ「PEN F」シリーズの2種類があります。コンパクトカメラは機種によりレンズが違い、焦点距離やF値が違いますが全て広角レンズになります。交換式レンズはラインナップが豊富で、標準レンズや広角レンズ、望遠レンズなど多彩な撮影シーンに対応できる点も魅力の一つです。オリンパスペンのデザインも特筆すべきで、コンパクトで洗練された外観はファッショナブルなアイテムとしても注目を集めました。

・様々な機能
小型ながらも充実した機能を備えており、絞りやシャッタースピードなどの操作が可能。露出計も備えておりシャッターを切るだけで簡単に写真が撮れます。プロフェッショナルからアマチュアまで幅広いユーザーに支持されました。また、サブカメラとしても愛されたカメラです。露出計にはセレン受光素子タイプとCdS素子タイプがあり、前者は電池不使用、後者は電池使用カメラです。基本的にはMR-9互換アダプターと対応電池を使用。
ハーフカメラなので35mm判換算は約1.4倍。

・ハーフカメラの終焉
デジタルカメラの台頭によりフィルムカメラ市場は徐々に縮小していき、オリンパスペンも生産終了となりました。デジタルカメラにはハーフカメラは存在しません。しかし、その独特の魅力と優れた性能から、未だ多くのフォトグラファーに愛され続けています。

・「PEN」シリーズ
1.オリンパスペン
1959年発売。初代オリンパスペン。Dズイコーレンズを搭載し、サブカメラとして愛されました。レンズはDズイコー28mm/F3.5。

2.オリンパスペンS
1960年発売。初代のレンズF3.5より明るいレンズを、という要望に応え開発。焦点距離とF値が変わった。Dズイコー30mm/F2.8。

3.オリンパスペンEE
1961年発売。「焦点距離固定」「シャッタースピード1/60固定」「露出は絞りで自動調整」という世界初プログラムEE(Electric Eye)搭載カメラです。全てカメラ側で決定するのでシャッターを切れば撮れるという優れたカメラです。Dズイコー28mm/F3.5。

4.オリンパスペンEES
1962年発売。世界初プログラムEEシャッターを搭載。自動露出によりシャッタースピードを「1/30」か「1/250」に自動で選択。3点ゾーンフォーカス。Dズイコー 30mm/F2.8。

5.オリンパス ペンD
1962年発売。高速1/500シャッターを搭載。F値が1.9という大口径になった。LV値直読式内蔵露出計でプロ仕様となった。Fズイコー 32mm/F1.9。

6.オリンパス ペンF
1963年発売。世界初のハーフカメラ一眼レフカメラ。20種類に及ぶレンズ群がある。広角(20mm)〜望遠(800mm)まで。2回巻き上げ。

7.オリンパス ペンW
1964年発売。「PEN」シリーズのワイド機。Eズイコー25mm/F2.8。

8.オリンパス ペンD2
1964年発売。「オリンパスペンD」の露出計をセレン光電池からCdSにグレードアップした。Fズイコー32mm/F1.9。

9.オリンパス ペンEM
1965年発売。電子シャッター、自動巻き上げ、自動巻き戻しという3つの新機能を搭載。世界初の電子シャッターで30秒から1/500秒まで搭載。単3電池2本を使用。しかし技術的問題も多くカメラとしての寿命は短かった。Fズイコー35mm/F2。

10.オリンパス ペンD3
1965年発売。「オリンパスペンD」のレンズを大口径のF1.7に。Fズイコー32mm /F1.7。

11.オリンパス ペンFT
1966年発売。外観をオリンパスペンFのままTTL露出計を内蔵。シャッタースピードに応じて適切な絞り値がファインダーに表示されるTTLナンバー方式の露出制御システムを採用。一回巻き上げ。

12.オリンパス ペンFV
1967年発売。TTL露出計とM接点を省いた廉価版。一回巻き上げ。

13.オリンパス ペンEED
1967年発売。シャッター羽根が絞りも兼用するオリンパスプログラムシャッターが搭載。デザインは角型直線のものに変更された。Gズイコー32mm/F1.7。

14.オリンパス ペンEES-2
1968年発売。「オリンパスペンEES」をベースにフィルムカウンターを自動復元式に、ASA400の高感度フィルム使用可能、ホットシューの取り付けなどの改良が行われた。Dズイコー30mm/F2.8。

15.オリンパス ペンEE-2
1968年発売。オリンパスペンEES-2」をベースに、レンズを28mmF3.5に変更。Dズイコー28mm/F3.5。

16.オリンパス ペンEE-3
1973年発売。「オリンパスペンEE-2」をベースにフラッシュマチック機構(専用ストロボPS-200を使用した時、目測距離をマニュアル絞りリング上でセットすれば適正絞り値になる機構)が追加。Dズイコー28mm/F3.5。

17.オリンパス ペンEF
1981年発売。ペンシリーズ最終モデル。ペンEEをベースにオートストロボを内蔵し、蝶番式の裏蓋開閉式に。プラスチックボディーを採用して280グラムと軽量化。Dズイコー28mm/F3.5。


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