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イラストレーター・取材&コラムニストの陽菜ひなひよ子です。

人生で自分で選べないものでハズレを引いたことを、いわゆる『ガチャ』に外れたって最近では言いますよね。『親ガチャ』に代表されるように。

でも思うんですよ。本当にガチャに外れたら、そんなに悲惨な人生なのか?と同時に、ガチャに当たったらそれだけで、バラ色の人生が待っているのかって。いやいや、そんなわけないですよ、マジで。


「時代ガチャ」とセクハラ裁判


「親ガチャに外れたら人生詰んでる」という考え方で行けば、自分なんか外れっぱなしの人生だなと思うわけです。家は相当貧乏だったし、お世辞にも理解があるとは言えない親でした。

学校を卒業して、数年事務員でもして、そこそこの相手を見つけて結婚する。それ以外の選択肢が自分の人生にあると想像できない、それが10代、20代のわたし。

でも周りを見渡せば、みんなそんなものでした。

当時(80年代から90年代初頭)の女性は、多かれ少なかれ、そのような立ち位置に置かれていたのです。

少し前ですが、NHK『逆転人生』に出演されていた「日本初のセクハラ裁判」を起こした晴野まゆみさん。壮絶な戦いの末の勝利は感動的でした。

びっくりするのが、当時の女性は飲み歩くだけで「ふしだら」だと言われたんですね。それを利用して、晴野さんを「ふしだら」だと印象付けることで優位に立とうとした弁護側。

裁判長が「あれ?なんで男性が飲み歩くのはよくて、女性だとふしだらになるんだ?なんか変だぞ」と感じたことが、皮肉にも晴野さんを勝利に導くきっかけとなったのですね。それがはじめて裁判長の口から語られた時の爽快感と言ったら!


『ガチャ』に「当たる」ってどういうこと?


逆に「ガチャに当たる」ってどういうことなんだろう?と考えてみました。

親がお金持ちで社会的地位があれば、無条件に幸せになれるのか?といえば、決してそうではないことは、昨今の事件やさまざまな「2世」と呼ばれる人へのインタビューなどでわかっていますよね。

親に社会的地位があり、能力が高ければ高いほど、その子どもへの期待値は高まります。日本や世界で一番と言われているような親と比べられる人生って、それだけでしんどそうです。

一般の人と比べれば相当優秀でも、親が世界一だったら、かすんでしまいます。自分の実力で上に行っても「七光りだ」と言われかねません。繊細な人ほど、親と自分を比べて、自分がダメだと悩んだり、自分の実力を見てもらえないことにいら立ちを感じたりするでしょう。

とはいえ、親のコネで得た地位を利用して、威張り散らしているような「厚顔」な人にとっては、立派な親を持つことは「親ガチャ」に当たったと言えるのかもしれませんが。

わたし自身はそんなに厚顔にはなれそうにないので、親が有名過ぎるよりは、今の親でよかったのかな、とホッとしています。母親は毒親ですけどね。


早く認められることが「成功」なのか?


「特殊な才能」を持つことも、『ガチャ』に当たることのひとつ?
大人になっても平凡に生きてる人は、子ども時代から成功している人をうらやんでしまいがちです。でも、子役から活躍し、おとなになっても成功して、家庭にも恵まれているという人の話を、あまり聞いたことがありません。

もちろん一部の成功例はありますが、その陰にはどれほど多くの消えて行った子役たちがいるでしょうか。そして子どもの頃に「子どもらしい生活」ができなかった弊害って無視できないものです。

子どもの頃から「大人であること」を求められると、人は人と対等な関係を築けなくなってしまう。それはもちろん、子どもの頃から活躍していなかったとしても、親からの適切なケアを受けられなければ同じ

そういった意味では、毒親は確かに「親ガチャのハズレ」ではあると思います。でも「ハズレたから不幸」かといえば、そうとは言い切れません。


「長い目で見る」ということ


今はみんな時間がなくて「早さ」ばかりを求めてしまう時代です。

映画は倍速で、本は図解で説明を求め、ただ「概要」だけを理解すればOK、という風潮、ちょっと残念に思います。

なぜなら「本当に大切なこと」ってきっと、概要の中にはないと思うから。
概要をとっぱらった「余白」部分にこそ、「本質のタネ」がある

「大切なことは目に見えない」という『星の王子様』の有名な言葉を思い出します。

映画をゆっくりと見て、景色の美しさや表情のちょっとした変化をくみ取って、じっくりと味わう。本を読んで、文字で書かれているものを頭の中で想像してみる。

本当に大切なことや「しあわせ」もきっと、そんな風に日々を味わい、想像する中で感じることだと思うんです。


夢をかなえるコツ


そんなわたしも、30代半ばまでは、正直しあわせを実感することのない人生でした。夢も目標も感じられず、むなしい毎日

けれど、50代の今は、夢はいくつになってもかなえられると実感しています。

夢をかなえるコツは、あきらめないで続けていくこと

今も何度もあきらめそうになりますが、そんなときに、自分で10年以上前に描いたこの漫画を見ると、元気が出ます。

2009年にブログに載せたこの漫画は、お陰さまで大きな反響がありました。


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