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凧揚げおじちゃんに出会った話 @宮城県 閖上

8月末から5日間、相馬〜南三陸まで東北の沿岸部めぐる旅をしてきた。

その途中、仙台近くの閖上(ゆりあげ)に立ち寄った時のこと。

凧揚げをしてるおじちゃんに出会った。

最初は遠くから「空になんか浮いてるな」という感じだったけど、近づくいていくと、空に糸が伸びていて、その途中にいくつものカラフルな羽みたいなものがついていた。

すごく良い写真が撮れそうだと思って、カメラを取り出そうとしてると、そのおじちゃんがこっちに向かって喋っていた。

「これ凧揚げ!兄ちゃんたちもこっちきて持ってみぃ!」

持ってみると結構手応えがある。
少し手を動かすと、50メートルくらい空中にある凧までちゃんと動きが伝わるのが、なんか面白かった。

話を聞くとこのおじちゃんは元々校長先生だったらしい。

昔から子供の遊びが好きで、今でも自分で凧を作ったり、子供たちに遊びを教えて色んな学校を巡っているという。

「遊びっていうのは元々「游」という漢字だったんだよ。水に浮かんで空をボーッと眺めるようなものが遊びだった。最近は大人も子供も空を見ないでしょ。そこから学ぶこともたくさんあるのに。」

一言一句までは覚えてないけど、そんなことを言ってたと思う。

凧を作って揚げて楽しそうにしている元校長先生って、なんか良いよな。
いい意味で「子供っぽさ」が残ってるように感じた。

それと同時に、「小学生の時の話の長い校長先生って自分らが理解できてなかっただけで、意外と深いいこと言っていたのでは?」と思ったりもした。冷静に考えて、いい大人が真面目に考えて将来有望な子供たちにスピーチしてるんだから1つくらいはメッセージあるよな、と。

気仙沼で凧を飛ばす旅仲間

去り際に「これから気仙沼・南三陸に行く」と話すと、おじちゃんは手作りの凧を一つくれた。

「気仙沼や南三陸の空と仲良くしてやってください」

どうやら昔から気仙沼や南三陸にも交流があったという。
それを震災で失って、そのことも今この東北で活動を続けてる理由の一つになっているらしい。

この言葉からこのおじちゃんの色んな思いを推測したけど、自分なりに考えて答えを出して理解した気になるのは失礼な気がしたからやめた。

でも、とりあえず気仙沼の岬で凧を飛ばした。

めっちゃ楽しかった。









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