見出し画像

アメリカ自転車横断記 1日目~6日目

日本を出てはや10日ほど。
今はカリフォルニア州のベイカーズフィールドという町で、次の旅路の準備をしている。

モーテルに宿泊し、パソコンも使える。
ひとまず6日目までを振り返る。

1日目 サンフランシスコ空港~サンフランシスコ

空港で目覚めた後、いきなりのトラブルが発生。(前回記事参照。)
それを乗り越えた時には、すでに午後5時。急いでサンフランシスコ市内を目指した。

慣れない右側通行に戸惑いながらも30kmちょっとの道のりを走り、到着したのが20時手前。それでも空は少し明るかった。


Fisherman`s Wharf で記念撮影をして、ホテルにチェックイン。
時差ぼけは治ってなかったが、あまりのドタバタで疲れ切って、ぐっすり眠ってしまった。

2日目 サンフランシスコ~サンノゼ

朝6時に起床。
この日は何件か予定があった。

サンフランシスコからでは間に合わないので、昨日漕ぎ始めたところの手前まで電車で移動することにした。


朝8時の電車にはギリギリ間に合い、サンフランシスコを出発する。
空港くらいの駅で降りて、40kmほど走るとシリコンバレーのど真ん中Sunnyvaleに到着した。

私は3年前、このあたりでインターンをしていた。
その時に知り合った人々と再会を果たす。

「ここからNYまで行ってみせます!」
そんなことを言いふらす私をみんなは本当に応援してくれた。

そのあとは入国手続き用にとってあったAirbnbに泊まる。

着いた瞬間、どっと疲れが来ていつの間にか寝てしまった。

3日目 サンノゼ~コヨーテ

朝10時に目が覚める。完全に寝坊だ。
急いで準備をして、宿を後にする。

最初にやったことは「補給」
これから先は長距離移動が増えてくるので、水のほかに塩や栄養剤を揃えた。

一通り買い物が終わると、自転車の整備へ。
チェーンが歯飛びして「ガクッ」となる現象の原因を突き止めに自転車屋へ向かった。


自転車をチェックしてくれというと「Of cause!」と元気に返してくれた。
わかりやすいようにgoogle翻訳を使って詳細に、丁寧に現状を説明してくれる。

「本当は明日までかかるけど、今日の16時までにやるよ」

本当にありがたい。親切な人に出会ってばっかりだ。
終わるまで、近くのスタバで時間を潰す。

時間になり引き取りに行くと
「君のNYまでのマップ、写真にとったよ!がんばってね!」

そんな言葉とともに、記念の帽子をくれた。
もう夕方で全く進んでいないが、とてもいい一日だ。

その後、サンノゼから西に進みコヨーテという町の手前で野宿をした。
早速パンクしたり、落とし物したりと色々トラブルもあったが、今日あったことを考えればプラスである。


4日目 コヨーテ~ペイジーンズ

朝10時、テントをたたんでスタートする。
さらに西へ、ひとまずギルロイを目指す。

その道中、道端で煙を上げている何かを発見。
近づくとチキン屋さんだった。

「ザ・アメリカ」を欲していたので、よくわからないが10ドルくらいのものを買ってみる。

出てきたのは骨付き肉。横にはBBQソースがポリ袋にどっさりと入っている。
食べるものがないので豪快に手でいただく。

とても大雑把でワイルドな味だ。うまい。

その場で座り込んで食べていると、店のお兄ちゃんが椅子と飲み物をもってきてくれた。
こういう気遣いを受けた時「旅をしていてよかった」と心の底から思うのである。

食べ終わり、再び南西に進む。

ギルロイでは軽く補給を済ませ、さらにその向こうへ。

あたりは開けてなにもない。
「これぞアメリカ」というような風景をひたすら漕ぐ。

途中、マックで休憩。この先はいよいよ山に入ってくる。

アップダウンが出てきて体力がそがれる。それでも周囲の絶景を眺めながら進み、いよいよ本格的な登り坂が始まろうか、というところで夕暮れ。

テントを張って眠りにつく。

5日目 ペイジーンズ~コアリンガ手前の山中

朝から坂を上った。

下ってはまた登りを繰り返し、どんどん山奥へと入っていく。

途中、向こう側からきたおじさんがこちらに車を寄せ、ペットボトルの水をくれた。

人との出会いもそれくらい。
細い道を上り、下り。荷物も重く、アップダウンはかなりしんどい。

そんなことを繰り返していると、道路に沿って小川が流れているのが見えた。

もう3日ほど風呂に入ってない。
少し迷ったが自転車をその場に倒し、服を脱ぐ。パンツだけを残して川に寝っ転がった。

誰にも気づかれない場所、きれいな水、晴れた空、最高だった。
なんていい旅なんだと、そう思った。

その後、さらに登りはきつくなった。
途中で心配して、メキシコから来たおじちゃんが声をかけてくれたりもした。

「あともう少しで下りだ!」

おじちゃんの言葉が、最後の一息を生み出してくれた。

何とか登り切った。

そしてそのあとの下り。爽快だった。

勢いづいた自転車は少しの上り坂くらい余裕で超えていく。

しかしこの時点で18時半、この勢いなら次の町コアリンガまで行けるか?とも思ったが、そこまでは及ばず。この日は町にたどり着けなかった。携帯も圏外。早く寝た。

6日目 コアリンガ~ケルトマンシティ

朝11時頃、コアリンガに到着する。
道中、優しいおじちゃん2人に声をかけてもらった。


1人は果物をくれて、もう1人は、その後もインスタで心配のメッセージをくれる。
この旅は本当に運がいい。

コアリンガのマックで通信を獲得し、家族に連絡をする。
その後、補給を済ませ次の町へ。


かなり順調だった。追い風も相まってぐんぐん進む。
明日にはベイカーズフィールドにつけるのではないか。

しかし、この日もトラブルは起こる。道が封鎖されていたのだ。
「立ち入りは法律で禁止されています」と書いてある。

さすがに通れない
こうなったらわき道を通るしかない。しかし、これがダメだった。

オフロードの私道をこっそり進む。
すると、いつの間にか発電所のようなところに迷い込んでいた。


足元は砂場のようになっていて、とても自転車に乗れない。町はすぐそこなのに。

調べると一つだけ、ゲートがなく町に脱出できる場所があった。
仕方がないので、そこに向かって進む。何回も自転車を倒し、全身砂まみれになった。

それでも町に到着した。今日はここが寝床だ。
そして、なんとなく近くのタコス屋さんに入る。


野宿場所の心当たりもない。試しにお店の人に聞いてみた。

すると、ここの店員さんとてもノリがよく

「店のなかで寝ていいぞ!」

まさか。
さらに、私の旅に興味を持ってくれてここまでの写真を一緒に見たりした。

なんか、自由だな。そんなことを感じた夜だった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?