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NOと言える日本人になろう さもなくば、、


もうだめかも、、遠くに見える島を見て思った。ここは海の真ん中。陸地はない。


昔、新婚旅行でフィジーを訪れた時の話だ。
サーフトリップをしたかった私は、南の島に行きたかった夫の希望をかけあわせ、初心者でもいけるサーフポイントにつれて行ってくれるガイドも見つけ、日程に組み込むことができた。

早朝ホテルにお迎えがきて、いざ拠点のハウスへ。事前の電話でも、自分のレベルを説明し、子供がいくビーチへの送迎をお願いしていたのだが、、、

つくなり、ガイドが一人しかおらず、他の客もいるため、ボートで沖にでると言い渡されてしまったのだ。
「あの、、私本当に初心者なんです。あ、、あう、、アウターリーフなんて無理です」
「大丈夫ですよ〜、パスの切れ目に子供が遊ぶところがあるから」

仕方なく船にのると、ツワモノ風のオージーが、身振り手振りで、勲章を説明してくれた。リーフでのケガのあとだ。

やばいかも、、、 ことわるべきだったか、、

ポイントにつき、海にでると、不釣り合いを秒で悟った。
漕ぐことだけは上手かったので、うまく波を交わして時間を稼ぐことにした。これは大成功。あとは、ニコニコと2時間すごせばいい。

夫は、乗れそうだったが、レンタルボードがえらく漕ぎすすまないので苦戦していたため、どうせ乗らないからと、私の板と交換することにした。

そこへセットが入ってきた。先程のようにうまくかわせるはずが、全く進まない!板のせいだ!岸のない海で波に巻かれたらどうなるんだ?! もろ、インパクトゾーンにいる自分。

まずい! 私は板を捨て、砕ける波の下に潜ったが、未経験ゾーンのパワフルな波に、あっという間に飲み込まれた。

気がつくと、またしても白い巨大な泡が前から迫っていた。同じように巻かれたオージーが、パドルパドル!と声をかけてくれた。が、体制も立て直せないまま、私は泡に飲み込まれたのだった。

巻かれた時は、息を大切にしながら暴れずに丸まって波をやり過ごす。
苦しい長い長い時間が過ぎて、浮上したところは、波のたたないサンゴ礁の浅瀬だった。浅瀬なのに岸ではない、岸ははるか遠くにみえる島なのだった。

なんで断らなかったんだよ、、私、、、

続く

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