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人生に疲れた人に効く『リリー・フランキーの人生相談』

今の仕事が嫌だ、人間関係が嫌だ、悪いのは環境か? それとも自分か? 疲れた時、ネガティブな考えが頭の中に渦巻いて、自分が嫌になる人は少なくないはず。

そんな時、いつも手に取る本がある。週刊プレイボーイの連載をまとめた人『リリー・フランキーの人生相談』だ。

リリーさんの人生相談の方法はいつも独特。「坊主になったものの、今の生き方に迷っている」「付き合う男に毎回ぞんざいに扱われる」「捨て犬を見るといつも保護してしまう」といった一癖も二癖もあるお悩みに対し、決して突き放さず、かといって親身になって正解をくれるわけでもなく、お悩みの半分くらいは電動こけし(別名:バース1号)を渡して、無理やり解決しようとする。

正直、「バカ本」と言っても言い過ぎではないと思う。それなのに疲れた時にいつも読みたくなるのは、リリーさんがゆるっとした人生相談の中で、時折グサッと刺さる、一生頭の中から離れない「真理のような言葉」を吐くからだ。

4月は嫌なことが多くあったので、1年ぶりに本を読み直してみた。その時に刺さった言葉をいくつか紹介したい。

1.ボーナスについて

リリー:(ボーナスは)会社の兵器なんだよ(笑)。だから人の決断力を鈍らせるために会社はボーナスを配ってるんだよ。ボーナスさえなければ、いつでも会社を辞めるよ。

2.人間関係について

リリー:人が信じられなくなると鬱になるよ。それが正常だと思う。

3.ボランティアについて

リリー:ボランティアって、ある程度余裕のある人がするもんだよ。

4.戦争について

リリー:いま世の中で起きてる戦争って、ほとんど宗教戦争と経済戦争でしょ。第三者にはあんまり理解できない理由で戦争をしてることが多い。世の中にはそういうことがいっぱいあるんだよ。

5.人生相談に乗る男について

リリー:よく女の人って、自分が弱ってる時にすごく優しい人が話を聞いてくれて、すごく理解してくれたとか言うじゃないですか。でも、そういう男って下心がある男なんですよ。キミの言ってほしい言葉を用意してしゃべるから、わかってくれると思っちゃう。キミの相談を受けながら口説いているんです。男の中では、そういう行為が一番恥ずかしい行為といわれています。

6.自信について

リリー:自分に自信を持ってて、根拠なくポジティブで、自分のことが大好きな人って、気持ち悪いでしょう。まともな人だから鬱になったり、自分のことが好きになれないと思うんだよね。今の時代に自分にすごく自信があったり、ポジティブなことを言ってる人って、社会を見てない人だよ。嘘つきほど自分は嘘をつかないって言い切っちゃうようなもんで。

7.他人の意見について

リリー:真に受け系なんだ。あのね、人の言うことなんて真に受けないほうがいいよ。そうやっていちいち真に受けてるといろんなものに流されるし、取り込まれるし、疲れるし、自分が傷つくだけだから。だいたい、みんな自分の利益のために、いろいろもっともらしくしゃべってるわけ。街でティッシュ配ってる人は、ティッシュをただ配ってるわけじゃなくて、自分の利益のためにやってるわけでしょ。

人間が抱える弱さを認める一方で、それを利用したり、バカにする奴には厳しい。そんなリリーさんの眼差しに心惹かれるのかもしれない。今回紹介した言葉にピンときた人や、疲れている人は、ぜひ読んでみてください。


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