鈴木大地選手の活躍に思うこと

鈴木大地選手が、シーズン開幕から躍動している。
千葉ロッテマリーンズのファンとしては、嬉しいやら寂しいやらで、複雑な感情を味わっているのだが。どちらかと言われたら、選手としては尊敬すべき選手だと思っているので、6:4くらいで嬉しさの方が大きい。

さて、たらればの話をしても仕方がないのだけれど、1つだけ。もし、鈴木選手がマリーンズに今年もいたとしたら、同じような活躍をしただろうか、という話である。個人的に、答えはNOだと思っている。

今の鈴木選手の活躍を支えているのは、自分のことを最優先してチームを出た以上、カッコ悪い姿は見せられないという、彼らしい責任感だと思うからだ。それにしても、そう考えることで、ちゃんと結果を残してくるのが、鈴木選手の凄いところではある。

ところで、鈴木選手がFAを決意したきっかけに、19年シーズンの開幕戦でスタメンを外されたことがあるのは、間違いないと思う。たしか、井口監督は「レギュラーとして試合に出ていることを、当たり前に考えてしまっているのではないかと思って外した」と語っていたはずである。

たぶん、鈴木選手はそんな考え方はしていなかったとは思うが、それでも「なにくそ!」という気持ちを持っただろうことは、想像できる。結果として、彼はこの年にキャリアハイの結果を残した。

そして、シーズンを終えたあと、鈴木選手は考えたのではないだろうか。確かに自分には、危機感が足りていなかったのではと。それと、千葉ロッテマリーンズのために頑張るだけが、自分の野球人生ではないことにも、思い至ったのかもしれない。プロ野球選手として大成することが、真の目標であるなら、マリーンズを去ることは、決してマイナスではないと。

ということで、つまりこの話の行き着く先は「井口監督は名将なのではないか」という話だ。

というか、ある程度のメンタルの強さとポテンシャルを持っている選手を、もう1つ上のランクに上げることに関しては、素晴らしい才能を持っているのではということである。例えば鈴木選手のような。

「嫌われる勇気」という言葉を度々聞くが、今回の井口監督の、鈴木大地スタメン外しは、それの最たる例のように思う。何も言わないけれど、選手のプライドを刺激して、気づいたら選手は1段階上のステップに登っている。ともすれば恨みを買いそうな采配だけれども、振り返るとプラスの結果になっている。

僕は、いずれ50歳くらいになって、真っ白に燃え尽きて鈴木大地選手が引退するときに、今の僕があるのは、あの日井口監督がスタメンを外してくれやがったからです、と言ってくれることを期待している。その時は、彼に千葉ロッテマリーンズのユニフォームを着ていてほしいとも思う。

それと、鈴木大地選手がいることで、最大のぬるま湯に浸かっていたのは、千葉ロッテマリーンズというチームであったとも思う。井口監督がどこまで見越していたかは分からないが、鈴木選手がいなくなったことで、「次は俺か?」と考えたマリーンズの選手は少なからずいると思う。チームリーダーの不在は、短期的にはチームにとって痛手だったように思うが、長期的に見れば多くの若手が「俺がやらなきゃ」と考えるターニングポイントとして記憶されるのではないだろうか。

今シーズン、マリーンズには優勝のチャンスが十分にあると思う。首位打者は鈴木選手にあげても良いが、チームとしてはマリーンズに優勝していただきたい。

そしてその時は、鈴木大地とマリーンズを同時に成長させた名将井口、として、井口監督に最大の賛辞を送りたい。

ということで、鈴木大地選手の一ファンとして、ロッテ戦以外で彼には打ちまくってもらい、チームとしてはマリーンズに頑張ってもらい、井口監督の一人勝ちとなるシーズンに期待したい。

頑張れ、大地ーーーーー!!!
頼むぞ、井口ーーーーーーーー!!!!!

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