鈴木大地選手のFA宣言に思うこと

先日、千葉ロッテマリーンズの鈴木大地選手が、FA権の行使を宣言するという一報が出た。複数球団が興味を示しているという報道もあり、残留の望みは薄いと噂されている。千葉ロッテマリーンズファンの一人として、ここでは、万が一それでも残留してくれたら、という立場から、自分の思うことを書いておきたい。
おそらく、残留したときに鈴木選手は、ファンの存在を理由に上げてくれるはずである。ファンとしてそれ以上に嬉しいことはない。私たちのことを思って、チームに残ってくれたと言われれば、応援してきて本当に良かったと、改めて思い直すことだろう。
しかし、それは裏を返せば、鈴木大地というプロ野球選手が、もう一回り成長する機会を、ファンという存在が奪ってしまったとも考えられるのではないか。もちろん、そんな思考を選手はしないだろうし、ファンに責任などないのだが。最近自分の中では、このような考えが度々頭に浮かんできて、少し怖い気持ちがある。
鈴木選手が残留を決めてくれたら、おそらく彼が移籍した世界線でポジティブな結果を残すという、ロッテファン的にはネガティブな妄想をする人は少ないはずだ。それでも、移籍した方が良い結果を残す可能性は、少なからずある。今ある地位を捨てて新天地に移れば、自ずと選手自身のモチベーションは高まるはずと、私は思う。
それと、もしも移籍先が巨人や楽天イーグルスであれば、年俸は千葉ロッテより高いだろう。年俸は、シンプルにその選手の価値を表す指標だと思う。やはり、世間のプロ野球ファン以外の方々には、一番伝わりやすい数字だろう。そして、年俸が上がれば、それに人一倍プレッシャーを感じて、結果を出してくるのも、鈴木大地という選手の特徴だと思う。
そして、レギュラーポジションの確約も、鈴木選手にはあまり必要条件ではないのかなとも、思う。今年、彼はそれがなくてもキャリアハイを更新した。準備があれば、結果は自然とついてくる。だから、誘う側も、レギュラーで出られるからウチにおいでよ、ということではないと思う。よりチャレンジになるが、やってみないか？という言葉の方が、鈴木選手には魅力的なのではないか。
個人的には、そんな状況でも、マリンじゃなくても、ロッテファンの声援がなくても、リーグが違っても、やっぱりすごい鈴木大地というのは、実はちょっと見てみたい。その気持ちは、やっぱり千葉ロッテにいなきゃ活躍できないじゃないか！と言いたい気持ちと、同じくらいある。これは複雑である。
少なくとも、例えばレギュラーが確約されていない巨人にでも入って、来年さらにキャリアハイを更新し、最終的にそこで日本一に欠かせないピースにでもなったら、「プロ野球選手鈴木大地」の評価は、格段に上がると思うのである。
もちろん、このままミスター・ロッテとして活躍して、チームを日本一に導けば、それはそれで素晴らしい評価に繋がるのだけれども。
だから、結局思うことは、今はファンのことなど忘れて、自分の道を選んでほしいということだ。私たちのことは、二の次より後ろで良い。自身の発言通り、プロ野球選手として悔いのない選択をしてほしい。少なくとも私は、それで結果が出ても出なくても、それこそがベストの選択だと確信している。だから、今は徹底的に自己中心的になってほしい。
その上で、千葉ロッテマリーンズで優勝することが、他球団で新たな課題に挑戦しながら頂点を目指すことより価値があると、選手として価値があると判断して、残ってくれるならば有難いのだ。
そのときは、その選択が間違ってなかったと、いつか思ってもらえるように、今まで以上に応援する。そんなことしか出来ないのだけれど、そうさせてもらいたい。
ということで、長々と書いたが、結局のところ、本心はといえば、残っていただきたい以外のなにものでもない。益田選手もマーティン選手もね。ファンってワガママですよね、という話。