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ゲーテ、そして〜私がドイツに導かれるまで

くみちゃんとの交流はお互いの大学進学までに自然と途絶えてしまった。

けれど、くみちゃん発だった私のドイツ熱は中学生だったあの頃の

単なる興味から時を経てすっかりオリジナルのものとして定着して

しまっていた。

高校生の時にはゲーテにはまっていた。今にして思えば翻訳文でしか触れることの

ない高校生にゲーテの価値など理解できていたとは思えない。


ただし、ドイツに行けるとは思っていなかった。パパとママはどちらも

古風な考えの持ち主で大学進学の時に私が地元を離れることを大変嫌った。

大学でさえ家から出してもらえなかったのに留学なんてできるわけがない。

ハナから留学を諦めていたので留学試験にチャレンジすることもなかった。


ところがそんな私に思わぬチャンスが舞い込んできたのだ。

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