銅鐸の考察⑨(見る銅鐸の埋納)

 「聞く銅鐸」による農耕祭祀を行っていたムラの統合が進んでクニへと発展していく過程で、あるいはムラやクニの祭祀形態が農耕祭祀から首長霊祭祀や祖霊祭祀へと変化していく過程で銅鐸の集中や埋納が行われた。ただし、農耕祭器としての「聞く銅鐸」を廃止して首長霊祭祀や祖霊祭祀に移行したクニがあった一方で、弥生時代後期に入ってからも銅鐸の大型化をさらに進めて突線鈕2式以降のいわゆる「見る銅鐸」に発展させたクニがあった。

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前半部分は銅鐸研究の第一人者である佐原真氏、春成秀爾氏、難波洋三氏など各氏の論文や書籍をもとに銅鐸の基本事項を整理しているので、銅鐸の基本を学ぶことができます。後半は寺澤薫氏や森浩一氏などの論考をもとに考古学の視点も加えて自分なりに考察してみました。

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