銅鐸の考察⑦(銅鐸出土時の状況)

 銅鐸は道路工事などの開発に伴って偶然に発見される場合がほとんどであったが、最近になって発掘調査によって見つかるケースも増えてきて、銅鐸が埋められた様子が次第に明らかになってきた。その埋め方については、銅鐸よりもひと回り大きな穴を掘り、そこに鰭を上下にして横向きに置くという方法による場合が多いとされているが、鰭を水平に置く場合も相当数あるようだ。また、わずかではあるが倒立状態で埋められたケースもある。しかし、鰭を上下にして埋納する方法はもっとも古い型式の菱環紐式からもっとも新しい突線紐式までほぼ一貫して見られる。

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前半部分は銅鐸研究の第一人者である佐原真氏、春成秀爾氏、難波洋三氏など各氏の論文や書籍をもとに銅鐸の基本事項を整理しているので、銅鐸の基本を学ぶことができます。後半は寺澤薫氏や森浩一氏などの論考をもとに考古学の視点も加えて自分なりに考察してみました。

謎の青銅器「銅鐸」について自分なりに調べて考えていくと、古代人の信仰の変遷が読み取れ、そして最後は邪馬台国につながりました。全12回のシリ…

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