銅鐸の考察③(銅鐸の原料)

 銅鐸は銅剣や銅矛などと同じ青銅器のひとつで、青銅とは銅と錫と鉛の合金のことを言う。その3種類の金属の割合は個体差があるものの、だいたい銅が86%、錫が10%、鉛が4%くらいである。青銅器は最初から青い色をしているのではなく、通常、製作してすぐの状態は赤銅色に輝いている、また、錫の割合が高くなるほど白味を増した輝きになるらしい。そして時間の経過とともに、つまり空気に触れているうちに成分中の銅が錆びて(酸化して)青味がかった色になる。したがって、水分を含んだ粘土層などに密閉された状態で出土した銅鐸は製作時の赤銅色を保った状態で見つかることがある。

ここから先は

955字 / 2画像
前半部分は銅鐸研究の第一人者である佐原真氏、春成秀爾氏、難波洋三氏など各氏の論文や書籍をもとに銅鐸の基本事項を整理しているので、銅鐸の基本を学ぶことができます。後半は寺澤薫氏や森浩一氏などの論考をもとに考古学の視点も加えて自分なりに考察してみました。

謎の青銅器「銅鐸」について自分なりに調べて考えていくと、古代人の信仰の変遷が読み取れ、そして最後は邪馬台国につながりました。全12回のシリ…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?