銅鐸の考察⑩(銅鐸終焉時の状況)

 ムラからクニへ、そしてクニどうしの連合や統合が進み、農耕祭祀や武威発揚祭祀を廃して首長霊祭祀や祖霊祭祀を行うようになって銅鐸は終焉を迎えた。銅鐸がその役割を終えた弥生時代後期の状況について確認しておきたい。弥生時代後期といえば1世紀中ごろから3世紀中ごろまでの約200年間であるが、クニが統合され、祭祀が変化するプロセスをこの200年に見ることができる。

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前半部分は銅鐸研究の第一人者である佐原真氏、春成秀爾氏、難波洋三氏など各氏の論文や書籍をもとに銅鐸の基本事項を整理しているので、銅鐸の基本を学ぶことができます。後半は寺澤薫氏や森浩一氏などの論考をもとに考古学の視点も加えて自分なりに考察してみました。

謎の青銅器「銅鐸」について自分なりに調べて考えていくと、古代人の信仰の変遷が読み取れ、そして最後は邪馬台国につながりました。全12回のシリ…

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