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物語は3分の1も書き進んでないのに、ラストの一文だけがいきなり来た

 物語制作第四の月に突入する。

 作業内容の詳細記事は次回とする。

 この月の特筆するべき点は、前半は軽いスランプに陥り、月の半ばで離職を決意し、月の最後の日には、物語の第一稿が書き上がった。全部、書けたのだ。季節は制作を決意した夏から、秋になっていた。

 第一稿はノートに書いているので、文字数などは厳密に計算していないし、「書きにくい」と思ったシーンはメモや箇条書きにとどめて進むことを優先している。だからおよそ20〜30万文字程度がこの時仕上がったのではと思っている。完成度としては、当時は自分を励ますために「60%くらいできた」と思っていたが、実際は40%程度だったかもしれない。

 当初から第四稿くらいまでは周回しようと思っていたので、第一稿はゴミでもなんでもとにかく最後まで行くことが目標だった。目標は達成した。

 第三の月〜第四の月の2ヶ月で25万文字書いたのだとしたら、1日4000文字ということになるが、月の前半は筆が遅くなり、吹っ切れてからクライマックスにかけては7,000〜12,000文字くらい作業量があった気がする。手も、眼も、腰もボロボロになった。

 突き進むことができたのは、第四の月の初っ端に、いきなりこの物語の閉じ方が見えたからだった。まだ三分の二は闇の中にあり、果てしないように見える物語の先に、ラストシーンの光景と、どんな会話がなされるかや、最後に絶対に持ってきたい一文が降りてきた。この「絶対にこうしたい」という思いはもはや信念を通り越して狂信に近い。このシーン目指して私は書いて行った。

「アーティストだ」と言われることを許せるか

 会社員の時はロジカルだとも言われることもあったが、私をもうちょっと知った人たちからは「アーティストタイプ」と言われてしまうことが多い。

 「言われてしまう」と言うくらいなので、長い間この称号はありがたいと思えなかった。「自分のやったことに自分で始末をつけられない人」とか「情熱の割に報われない人」だと暗に言われている気がするからだ。

 「アーティストだから」と言う理由で面接が進みやすくなったり、口座に大金が転がり込んできた経験もない。

 今はもうちょっと寛大になったので、悪い意味で言われたんじゃないことはよくわかっている。一度は社会に出たのに、結局のところ自分の本質は変わらないことに安心してもいる。

 物語制作に本腰を入れるようになって、実際に発想が「降りて」きたり、自分のものじゃないような会話や展開が湧き上がってきたり、バラバラに考えていたことが物語の中で奇跡のように調和したり、夢でも物語を見、朝目が覚めた途端もう「書きたい」と思っている自分にでくわして、「アーティストだろうがなんだろうが、物語を完成させられるなら、何者になったっていい」というなりふり構わなさが身についたし、今後はそういう自分を誰より大事にしようと思っている。

 次回は創作者にとっての片割れであり宿敵でもある「スランプ」について書こうと思う。次回に持ち越すのは、フォローして愛読している作家の岩井圭也さんも、スランプをテーマに記事を投稿していらっしゃったので、近いタイミングになるのが恥ずかしかったからである//

 お読みいただいてありがとうございました。


 何者でもないアラフォー女性が、35万文字の物語を完成させるためにやった全努力をマガジンにまとめています。少しでも面白いと思っていただけたら、スキ&フォローを頂けますと嬉しいです。


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