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人の心身は、自然対応用にできてる!?木材と人工物の接触比較:温度と材質の影響

昨今、レジャー人口が増加していますが、みなさんも森に入ったときの何とも言えない高揚感を感じたことがあるでしょう。
小さい頃から、「木のぬくもり」と聞いて感覚的に暖かく、ポジティブな印象をもつと思いますが、そもそもそれってなぜなんでしょうか?

人は、人間となって700万年が経過しています。
産業革命から都市化、人工化が進んだと仮定すると、その99.99%以上を自然環境下で過ごしてきたことになります。この超短期間では、遺伝子が対応できていないため、私たちは普段ストレスを感じやすい環境下にあるわけですね。

木材と人工物の接触比較


普通なら木材は暖かく、金属は冷たいというイメージを抱くのではないでしょうか?

1.接触比較

今回の実験では、逆に冷やした木材と、温めた金属を用いて実験。
すると意外な結果に…
冷やした木材は、不快で温めた金属は快適と感じたのです。
つまり、材質ではなく温度が重要なポイントでした。
しかし、この実験だと少し表面的なので、続いて具体的な測定も見てみましょう。

2.血圧比較

冷えた金属やアクリルは、血圧が上昇しますが
温めた金属は血圧が抑えられました。
やはりここでも、温度の大事さが伺えます。
一方、木材は適正な血圧上昇後すぐに元に戻ります
これって、私たちが生まれつき自然対応用にできている1つの証拠かもしれませんね?


塗装比較

次に、無塗装の木材、オイルしあげ、金属、ポリウレタン塗装の接触比較。

1.金属、ポリウレタン

結果は、上記の接触比較と類似したものでした。
接触直後から、血圧が上昇する傾向に…

2.無塗装の木材、オイルしあげ

こちらも同じく一時的に血圧が上がりますが、すぐに元に戻るという結果に。
塗装比較でも、私たちの心身は自然に適応しているようです。

断熱材としての木材

冬のコンクリート壁が冷たいのに対して、木の壁はそれほどでもないですよね?
木材は、パイプ状の細胞の集合体で、中は空気の層になっています。
この構造だと手を触れても熱が伝わりにくい=熱伝導率が低い。
つまり、木の壁はそれほど冷たくないという現象になります!

床の材と皮膚温度の比較

室温22℃では、どの材の床でも皮膚の温度に大差はありませんでした。
しかし、室温18℃では…
☛木材の床
皮膚温度がゆるやかに下がり、快適さを保つ。
☛コンクリート、ビニールタイルの床
急激に皮膚温度が下がり、不快感を感じます。
ここでも、室温と材質が重要なポイントのようです。


まとめ

木材と人工物の接触比較では、
いずれも、温度や材質が私たちの感じる快適さに影響を与える。
これは、塗装比較でも類似した結果になる。
また、自然との接触は、前頭前野を鎮静化させ、副交感神経を有利にし、心拍数を低下させる。
つまり、身心が生理的にリラックスします!
いかがだったでしょうか。今後とも、自然×不思議、科学に関する内容を発信していく予定です。
本日もご愛読ありがとうございました!

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