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#超短編

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原稿用紙1〜2枚くらいの短い読みものです。ちょっと読んだら、今日はゆっくり休んでくださいね
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眠れない夜の癒し系恋愛小説「また明日」蒼井氷見 #超短編

眠れない夜の癒し系恋愛小説「また明日」蒼井氷見 #超短編

「それでは、商品が届き次第、ご連絡いたしますので」
大きな唇をした店員が、あかるい声で葉月に伝票を手渡した。

買ってしまった。
入荷待ちの、憧れの旅行鞄。

店を出て、ライトアップされたショーウィンドウを振り返り、溜息をつく。仕事のストレス発散という大義名分のもとに、今まで幾らの散財をしてきただろう。あの有名デザイナーは、自分のような日本人の小娘が、こんな諦め半分の気持ちで鞄を手にすることを、果

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眠れない夜の癒し系恋愛小説「七夕の夜に」蒼井氷見 #超短編

眠れない夜の癒し系恋愛小説「七夕の夜に」蒼井氷見 #超短編

新婚旅行で訪れたハワイ島の「黒い砂」という名の海辺で、大きなウミガメを観た。
私たちはずっと、手を繋いでいた。

喧嘩した日曜の夜にヴェランダから見る空の闇は、あの黒い砂浜を思い出させた。

人はなぜ、旅に出るのだろう。
恋人たちはなぜ、口論を繰り返すのだろう。
私たちはなぜ、出逢ったのだろう。

残業続きでボロボロになった顔で初めて言葉を交わした日。
緊張していたイタリアンレストランのディナー。

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眠れない夜の癒し系恋愛小説「地下鉄に乗って」蒼井氷見 #超短編

眠れない夜の癒し系恋愛小説「地下鉄に乗って」蒼井氷見 #超短編

信号が青に変わる。

歩き出す。
銀座四丁目の交差点を、和光から三越側へ。私は迷わず、松屋の地下へと向かう。

赤坂トップスのチョコレートケーキひと箱を買って、本当にそれだけを買って、銀座をあとにする。信号待ちをしているとき、

-クリスマス一週間前の週末、つまり今日みたいな日は、ディズニーランドが空いているらしいよ。

という会話を、誰かがしていた。

今日は私にとって、ひと足早いクリスマス。

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眠れない夜の癒し系恋愛小説「22時22分」蒼井氷見 #超短編

眠れない夜の癒し系恋愛小説「22時22分」蒼井氷見 #超短編

うまくいかないたくさんのこと。
がんばっているつもり、疲れているふり。
笑顔のない一日、ついそっけなく返してしまったあの人への返事。

すべてを洗い流すように。
霧のシャワーを浴びよう。

髪を濡らし目を閉じて、落ち込んだ気分を、マイナスイオンで洗い流そう。

なくならないコンプレックス、しょんぼりやの自分。

ゼロになんてならなくていい。
浴室から出たら、前を向こう。
ごわごわした新しいタオルで

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眠れない夜の癒し系恋愛小説「メイベリンの夏」蒼井氷見 #超短編

眠れない夜の癒し系恋愛小説「メイベリンの夏」蒼井氷見 #超短編

あの人のことを忘れることができるのなら、どこへでも行こうと思う。

辿り着いた坂道。焼け付くアスファルトの緩い曲線。降り始めた雨。

車窓を開ける。
運転席側も助手席側も、後部座席も、右も左も、すべて。
車は、雨の小淵沢を走る。もう濡れてしまったって構わない。
メイベリンのダイヤルマスカラはとっくに剥がれてしまった。

-わかっている。

走れば走るほど、あの人の棲む、街からの距離が遠のけば遠のく

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眠れない夜の癒し系恋愛小説「温水プール」蒼井氷見 #超短編

眠れない夜の癒し系恋愛小説「温水プール」蒼井氷見 #超短編

仕事が終わると、最近はいつも此処へ来る。消毒された温水の匂いと、独特の熱を帯びた湿度と。いつものシンプルな黒の水着を選び、水泳キャップとゴーグルを嵌める。

泳ぎながら、色々なことを考える。つまらない会社のこと、うまくいかない恋のこと、美人の友達に嫉妬したこと。そして何度もターンを繰り返す。

ここに来てから1キロ、泳げるようになった。学生の頃は、25メートルがやっとだったのに。

-200メート

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