- 運営しているクリエイター
#shootingstar
眠れない夜の癒し系恋愛小説「SHOOTING STAR」蒼井氷見 #短編
きっかけは、女友達の瑞希のひとことだった。「行ってみたいよねって話になって」
瑞希の言葉に、私は、海水浴帰りの渋滞中に見るともなく目に入る、お決まりのネオンを思い出す。
その建物は、ずいぶん昔からそこに建っていた。明らかに「いかがわしい」雰囲気を醸し出す外観。煤(すす)けた赤茶色の壁。閉め切った窓。電球の切れかかったネオン。建物の周辺に民家はなく雑草が生え放題の荒れ地で、国道から入口へと続くで