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Sci-fi Prototypingと読書

明けましておめでとうございます。一緒の場所で共に食べ、観て、聴くって当たり前だったことが出来るように今年は戻るといいなぁと思う新年。

一人でいると自身の内面に向き合うことが多くもありつつも、微停滞しがちなので良い刺激で良い方向に考え広げていった方がよさそう。人と会えずともせめて外へ出る、創る年にしていきたいです。

最近気になっている言葉に、Sci-fi Prototyping というものがあります。
https://wired.jp/vol37-brave-new-world/#top
SFの持つ想像をサービス・製品開発へ利用していくもの。

1.物語が現実になる

1956年著の『夏への扉』にルンバが描かれていたり
1957年著の『アンドロメダ星雲』にパワードスーツが描かれていたり
1960年著の『ずれ』でamazonDashが描かれていたりします
数十年先に出来るものの原型が、既に作品の中に出てきている。

最近では想像から実現までの期間も短くなっている気がします。脳波で操作する脳インターフェイスのBrainnetは、遠隔でテトリスの操作に3人の同時操作で成功していて。1956年『少数報告』(マイノリティレポートの原作)のプリコグっぽいと思ったし。

『コルヌトピア』で描かれる情報通信機器としての植物も既に先行研究あります。

『レディ・プレイヤー1』の全方位型のVR機器はプロトタイプ出来ていたりします。

2.現実から未来を予測する

アイザック・アシモフは価値観の転倒による驚きが必要と話していて、その転倒の先に描かれる心象と技術は、現実に起こりそうと思わせる力があります。直線的に発展していく未来の保証がない現状では、より革新的なアイディアの苗床としてSF作品の重要度上がっていると思います。

『BABEL』での隔離政策はこの状況が悪化し続けると起こりうるし、非言語コミュニケーションは伸びそうです。これだけウイルスで経済が止まることが衆知となると、『売国のテロル』で書かれたバイオ兵器を考える国もいるかもしれない。2011年の映画『コンテイジョン』のキャッチコピーは「恐怖は、ウイルスより早く感染する。」あの中の描写はもう、今…

今とかけ離れた環境を創作するSFも多いので、その中で人と技術がどう挙動するかも描かれています。不確実性に想像力で対応する試みとも思います。

nereus projectにも注目しています。気候モデルをもとに、未来の海洋生物の環境を予測するもの。ブルーエコノミーはアジア圏の国際会議で話題に出てきます。ディストピアとユートピアの4つのシナリオをアーティストに依頼して描く試みもしています。

https://nereusprogram.org/works/science-fiction-prototyping-to-imagine-radical-future-ocean-scenarios/

自分の検知出来る少し先まで想像出来て、想像できることの何割かが実現できると言われます。こうなったらいいなぁって先に望み具体化すると、出来ないことも一緒に具体化されてやや滅入ることもあるけれど、環境が暗澹としている時には、進むための道標とな地図としてのもの要るのかもなと思います。今年も本を読む。





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