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人間になりたい日記#190「永遠なるものたち」

2022年11月22日 『永遠なるものたち』出版

 12月20日に晶文社から『永遠なるものたち』を出版することになりました。やったー。憧れのサイのマークです。
 
 そして知っている人は知っている。この本が三年前には出版される予定だったことを……。
 あの時は注文書まで作って騒いでいたのに、私の病気が悪化して今年の年末まで出版が遅れたのでした。

 当初は隔週だった連載が月一になり、月一が3ヶ月に一回になり、半年に一回、年に一回……。
 でも今回単行本化するにあたって大幅に加筆修正をしながら、この本は本当に慌てて出版しなくてよかったなと思いました。

 過去の原稿の精度を上げられたのもよかったですが、病気以降、連載ペースが落ちたとはいえ、力のある原稿が圧倒的に増えたのも自分の中で良かったと思えるところです。

 元の連載先はこちら。
 https://am-our.com/love/486/recent_post

 この連載は何もないところから始まりました。
 20代前半だった私は自分が何も持っていないような気がしていて、自分のいる場所や、自分の持っているもの全てが色褪せて見えていました。
 ほかの場所に行きたくて、究極には自分のいない場所に行きたいと思っていたのです。
 
 それがどういう場所なのか、それをひとつひとつのエピソードを書きながら探ってきた20代だったように思います。

 連載開始時も文章を書きたい気持ちだけがあって、書きたいトピックはありませんでした。
 失ってしまったもの、欠けてしまったもの、そもそも持ち合わせていないもの……そうしたものたちに「永遠なるものたち」と名前をつけて連載を始めたのは、それがきっかけです。

 書いている途中で視点が変わってきて、それは直接連載では書かなかったのですが、ヨガのおかげだと思っています。
 私は去年の12月に『ヘア・ヌード』というZINEを出版して、その中に短編小説「No/w/here」を書きました。

 No whereからNow hereへ。「どこでもないところ」から「いま・ここ」へ。
 それが20代前半から終わりにかけての私の視点の変化です。

 ヨガでは呼吸に集中します。呼吸についてはあとがきでも少しだけ触れているのですが、呼吸は過去のものも未来のものもあるけれど、集中できるのは「いま」している呼吸しかありません。
 それから自分が「ここ」にあるのだなあという実感が湧いてきて、ようやくいまの自分が過去と未来の自分と繋がっていることが適切にわかります。

 だんだんとそのことがわかってきて、フラジャイルな旅が終わったことが単行本化に繋がったと思っています。

 装丁は当初から佐藤亜沙美さんにお願いしていました。
 約束はしてくださっていたものの、刊行が遅れてしまったので本当にやっていただけるか不安だったのですが、無事に素敵なデザインにしていただけて光栄です。
 また、表紙のイラストは、連載時からバナーを描いてくださっていた須川まきこさんにお願いしました。
 ゲラをとても読んでくださったことが伝わってくるイラストになっていて、とても嬉しかったです。
 須川さんのフラジャイルな絵と、循環しているようなデザインが、本書にぴったりだと感じています。

 いまはこの本をひとりでも多くの方に届けることで頭がいっぱいです。

 予約期間が数日前に始まりましたので、ぜひお好きな書店やオンラインで予約注文していただけたら嬉しいです♡

 版元コム▷https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784794970947
 アマゾン▷https://amzn.to/3VmlYgK

『姫乃たまの「ラジオ消した?」』#190「永遠なるものたち」
Radiotalk▶︎https://radiotalk.jp/talk/907429
Spotify▶︎https://open.spotify.com/episode/4IZc4fFy6v0iiQT6y9eimb?si=kLKtgeLNRDWl7jyKsmQrOg
Apple Podcast▶︎https://podcasts.apple.com/jp/podcast/190-%E6%B0%B8%E9%81%A0%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%81%A1-from-radiotalk/id1525068219?i=1000587118268

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