「あ・ま・み」姫乃たま

作詞・作曲：スガナミユウ
編曲・演奏：入江陽
ミックス：徳永輝 a.k.a. taiyaki

　人間になりたいと思って、地下アイドルを卒業して、今日でちょうど一年が経ちます。
　今朝目が覚めて、少しずつではありますが、人間らしい生活を送ることができていると改めて実感しました。

　卒業公演の直後、私はひどい鬱病にかかり、一体自分のどこからこんなに深くて重たい絶望がわいてくるのか不思議に思いながら、いつ抜けられるのか、抜けることができるのかすらわからない、暗いトンネルのような日々を過ごしていました。
　絶望の最中にスガナミユウさんから贈られたのが、「あ・ま・み」のデモ音源でした。
　3.11後の世の中に「甘さ」を届けるために制作された楽曲が、巡り巡って病気に苦しむ私に贈られてきたのです。

　平成が完結して、人々の心が新しい時代へと向き、令和の響きにもようやく慣れた頃、日本も、世界も、再びあっという間に不完全になってしまいました。
　いま、誰もが不安な日々を過ごしています。
　でも、失くなってしまったもの、欠けてしまったものは、未来の私たちにふさわしい素敵なものが入ってくるスペースになると信じています。
　壊れてしまった後の未来は、以前よりも必ず素晴らしくなります。
　新しい時代を恐れずに、肩の力を抜いて生きていきましょう。
　きっと私たちなら大丈夫です。

　集まって、お話ししたり、笑いあったり、手を握って支えあえない日々が続いていますが、姫乃たまはいつもあなたのことを思っています。
　新たに私が歌った「あ・ま・み」を贈ります。少しでも肩の力を抜くための助けになれたら幸いです。

　とびきり甘いアレンジをしてくださった入江陽さん、ミックスをしてくださった徳永輝 a.k.a. taiyakiさんに感謝しています。
　いまスガナミさんは、ライブハウスや飲食店などのスペースに携わる人をはじめ、それ以外のあらゆる人々の生活も守る「SaveOurSpace」の活動に注力されています。
　この楽曲に携わってくださった彼らと、この楽曲に触れた全ての人たちの、健やかな未来を願っています。

　またお目にかかる日まで、どうぞ少しでも穏やかにお過ごしください。

　2020年4月30日　姫乃たま