①出会い〜変な女に絡まれた〜
どうしてあの時、俺はあんな選択をしたんだろう。
もし違う行動を取っていたら今頃どうなっていたのだろう。
「……はあ。」
休日。
俺は公園のベンチで地面を見つめながら、繰り返す思考に苦しんでいた。
今日は風が強い。このまま俺も飛ばしてほしいくらいだ。
???「おっはろー!」
「ッ?!?」
突然どつかれながら、ピンクのメイド服とネコミミをつけた女に声をかけられた。
メイド服の女「なになに?どーしたの?」
「いや、お前がどうしたんだよ」
メイド服の女「お兄ちゃん、悩んでるの?」
「おにっ、えっ、お兄ちゃん?えっ」
メイド服の女「ひめめで良ければ話聞くよ!」
そう言って呆気にとられている俺の隣に座ってきた。(若干距離を取りながら)
メイド服の女「あんまりくっつくと、ほら、他のお兄ちゃんがびっくりするでしょ」
「他のお兄ちゃん?はあ?どういう概念で生きてるの?」
……思い出した。この服装、髪型……!
確かテレビで見たことあるぞ。
でもしばらく見てないし、とっくに引退していると思っていたけど……名前は確か……。
ひめめ「きょうも、げんげんげんきで、めろめろめろんな、ひめめこと、桜川ひめこです!」
「……。」
ひめめ「めろめろ〜〜?」
「め、ろん……?」
俺がそう返すと"桜川ひめこ"は、嬉しそうに猫のようなポーズをした。
テレビで見た時もよくわかんない女だと思っていたけど、実際見てもよくわかんない女だな。
「……過去に戻りたいって思っててさ」
俺はどういうわけか。
この女のせいで混乱したのか、自分でもよくわからなかったけど、"桜川ひめこ"に俺の悩みを話そうと決めた。
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