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徹底的に地産地消。高松の「おきる」

 仕事のため、高松市に宿泊。夕食を「おきる」でいただきました。仕事とはいえ、せっかく彼の地に行くのですから、話題のお店に行きたいし、その土地ならではのおいしさに出合いたいと思うもの。
 「おきる」は、地産地消をほぼすべてのメニューで体現している飲食店。店主の小島氏による創作料理がコースで提供されます。例えば1品めは「いりこだし」が利いた「食べて菜」のお浸し。「食べて菜」は、「野沢菜」と「広島菜」を親に持つ「さぬき菜」と「小松菜」のいいとこ取りをした青菜。アクが少なく歯切れのよい食感が特徴です。次は香川県産の「オリーブぶり」の刺身、しょうゆは香川の「かめびし」のものです。3品めは、香川県産のアスパラガス「さぬきのめざめ」を香川の海の塩でいただきます。4品めは、「オリーブ豚」のローストと香川の野菜を盛り合わせたサラダ。「オリーブ地鶏」「オリーブ牛」と、地元の食材が次々と。〆はもちろん、小豆島の素麺で作った「にゅうめん」です。日本酒は、香川の地酒が楽しめます。
 地のものを使うことをウリにしている飲食店は少なくありませんが、ここまで徹底しているのは珍しいと思います。しかも、どの料理もおいしくてボリューム満点。因みに「おきる」は香川県の方言で、「満腹になる」という意味なのだそう。コース料金は、4,400円。原価率はかなり高いのではないかと推測します。
 店主曰く「地元の人は“観光客のための店”と思っている」。行政や農業団体は、地元の産物を拡げたいと尽力しますが、住民でさえ知らないという現実は、至る所で見られます。「おきる」のような飲食店は、いろいろな意味で貴重な存在なのではないでしょうか。

【食のトレンド情報  vol.900 2023年1月23日配信分】


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